
(34) ブパターの学生
「グーテン・ターク・トシオ」「グーテン・ターク・クリスチアーヌ」突然このアトリエ
・ドゥ・セグレにドイツ語がこだまする。昨夜からドイツのブパターという町から専門学
校の学生と先生のショーフがやって来ている。ドイツ語は、フランス語に比べて威勢よく
聞こえる。「何を勉強してるの」「染色を専攻してるわ」「このアトリエには、よく来る
の」「毎年10月にショーフ先生と、希望者が。」「フゥーン」アトリエの夕食で偶然向
かいに座ったクリスチアーヌが流暢な英語で話す。「でもね、このブロヴァンスが気に入
ったので今度一人でゆっくり来たいわ」はじけそうな健康な笑顔で話す。クリスチアーヌ
はこの後本当に一人でやって来る。ドイツ人は、インクのペン画を好んで描く。細密描写
の描き方は、「ああ、画家デューラーの国だな」なぜか懐かしかった。ツタの壁やフォン
テーヌを白黒の細かい描写で再現する。几帳面な国民だ。いろいろわかって面白い。
(35)ジョン、アニエスの農場