MZシリーズとは

1998年11月28日

MZ-80B MZシリーズとは、 1978年末にシャープ(株)から発売されたMZ-80Kにはじまり、 一時代を築いたパソコンである。 ちなみに、MZ-40Kというワンボードマイコンもあった。 MZ-80Kは、CPUが2MHzのZ80、メインメモリが20Kバイト(最大拡張時48Kバイト)で、 完成品ではなくセミキットで売られていた。定価は198000円である。 1981年に新しい系列である高級機MZ-80B (CPU:Z80A(4MHz)、メインメモリ64Kバイト、 320×200ドットモノクロのグラフィック、右の写真)が発売された頃、 MZシリーズは最盛期を迎えた。シャープの人から聞いた話では、 MZ-80Bは机に積んでいるだけで飛ぶように売れたとのことであった。 しかし、繁栄は長くは続かなかった。 1983年ぐらいから、MZシリーズは凋落に向かっていった。 当時のラインナップであるMZ-2200, MZ-5500, MZ-1500などが思うように売れず、 80年代後半にMZシリーズは消滅の運命をたどっていった。

MZ-80C MZシリーズには、宿命のライバルであるNECのPCシリーズの存在が常にあった。 巨人と阪神のような関係とでも言うようなものである。 もちろん、向こう(PC)が巨人である。 MZは、初代機(初号機!?)の発売こそPCシリーズに1年先んじたが、 その1年の間にデファクトスタンダードとなることはできず、 PC発売以後、常に傍流、第2勢力に甘んじ、主流になることはなかった。 それでも、PC-8001に先んじたMZ-80K/C (左の写真はMZ-80C、ちなみにキーボードのフルキーの右側にあるのは、 テンキーではなく、グラフィック記号を入力するための25個(5×5)のキー)、 PC-8801に先んじたMZ-80Bは善戦したと言えるが、 PC-9801に1年遅れて登場したMZ-5500は全く相手にならず、 16ビットCPU時代にMZが生き残れない運命となっていった。 NECの入門機PC-6001系を意識したと思われるMZ-700/1500も、 ライバル(PC-6001)に追いつくことはできなかった。 また、PC-8801が順調に後継機種による代を重ね、 8ビットパソコン時代をまっとうしたのに対して、 MZ-80Bの後継機種は代を重ねるごとにジリ貧となっていった。

MZ-80K/C, 700/1500一覧
発売年 197819791980 1981198219821984
機種名 MZ-80KMZ-80CMZ-80K2 MZ-80K2EMZ-1200MZ-700MZ-1500
NEC対抗機種 TK-80BS!?PC-8001 PC-6001PC-6001mk2
日立対抗機種 ベーシックマスター レベル2 ベーシックマスターJr.MB-H1(MSX)

MZ-80B系列一覧
発売年 198119821983 198519861987
機種名 MZ-80BMZ-2000
MZ-80B2
MZ-2200 MZ-2500 (Super MZ)MZ-2500V2MZ-2861
NEC
対抗機種
PC-8801PC-8801PC-8001mk2
PC-8801mk2
PC-8801mk2SR/TRPC-8801mk2FR/MRPC-9801系
富士通
対抗機種
FM-8FM-8FM-7 FM-77AVFM-77AV20/40FM-16β

MZ-5500 MZ-5500/6500一覧 (右の写真はMZ-5500)
発売年19831984
機種名MZ-5500MZ-6500
NEC対抗機種PC-9801E/FPC-9801M
富士通対抗機種FM-11系

その他
発売年1982
機種名MZ-3500
NEC対抗機種
沖電気対抗機種if-800


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