MZ関係キーワード

思いつき次第、テキトーに追加・更新しています。

2002年5月12日更新

I J Q R T U V 数字

- A -

APSS機能

Automatic Program Search Systemの略。 一般のオーディオカセットデッキの自動選曲機能を、 MZのデータカセットデッキに応用したもの。 MZ-80Bにはじめて搭載され、以後MZ-80Bの後継機やX1シリーズに受けつがれた。 内蔵データカセットデッキをソフトウェアから自由に操作できることは、 MZやX1の特徴の一つであった。 筆者もこの機能を使ってみたい一心で、 フロッピーディスク内蔵の機械(X1turboモデル30)を購入しながら、 専用のデータレコーダを同時に購入した。

オールインワン型

1979年末のMZ-80Kから1982年半ばのMZ-1200, MZ-2000までの間に発売されたMZの各機種は、 全てキーボード、10インチディスプレイ、 カセットデッキが本体と一体になったスタイルであったため、 オールインワン型と言っていた。 本体を買ってくれば全てOKというのが売り?であった。 1982年末に発売したMZ-700が、本体とディスプレイが分離した初めてのMZであった。 ちなみに、MZ-700は 本体にカセットデッキとプロッタプリンタを内蔵できるスタイルであったため、 広告には「高密度オールインワンスタイル」などと書かれていた。

- B -

ベーシックマスター

日立のパソコン。MZと並ぶ古参のパソコンであるが、 MZが何年間もNEC PCの対抗勢力として頑張ったのに対して、 ベーシックマスターシリーズは最初から?マイナーな存在であった。 ベーシックマスターが古参でありながらマイナーだったのは、 CPUが当時のデファクトスタンダードのZ80ではなく、 68系CPUであったのが原因であると考えられる。

- C -

カーソルマーク

MZ-80K/Cで、PRINT文で指定する文字列中に、白黒が反転した →, ←, ↑, ↓, H, C のキャラクタを入れることでカーソルを相対的に移動させることができた (順に、1文字右に移動、1文字左に移動、1文字上に移動、1文字下に移動、 ホームポジションに移動、画面クリア)。 MZ-80K/Cの初期のBASIC(SP-5002など)には カーソル移動命令がなかったことが存在理由だと思われるが、 おかげでカーソル移動命令(CURSOR文)が実装された後も、 ゲームプログラムなど複数の行にまたがる文字列を一度に表示するのに重宝した。 MZ-80B系の機械やX1シリーズでも、 裏技を使えばカーソルマークを使うことができたが、正式な機能?ではないので、 マイコン雑誌にプログラムリストを掲載する際のトラブルの原因になった。

クリーンコンピュータ、クリーン設計

当時のパソコンは、 外部記憶装置がカセットテープ(600〜2700bps程度)が主流であったため、 現在のパソコンのように機動時にシステムを外部記憶装置から読みこむのではなく、 あらかじめシステムソフト(BASICインタープリタ)をROMに持っていた (そのため、電源ONからシステムが立ち上がるまでの時間は瞬時である)。 しかし、MZシリーズは「クリーンコンピュータ」と銘打って、 BASICインタープリタ等のROMを持たずに、 電源ON後に数分かけてカセットテープからシステムを読みこんでいた。 当時はCPUのアドレス空間が狭く(8ビットCPUで64kバイト)、 RAMやROMの値段も高かったので、 余計なROMを持たず、BASIC以外のシステムを使うときにBASIC ROMが邪魔にならないクリーン設計は一理あるように思われた。 しかし、あの時代はBASIC言語がデファクトスタンダードだったことと、 バンク切り替えやシャドウROMといった手法により アドレス空間をオールRAMにできるため、 今思えばデメリットの方が多かったような気がする。 一説では、MZ-80K出荷当時のBASICインタプリタ (SP-5002) の完成度が低かったため、 後でバージョンアップするのを容易にするための策だとも言われる。
MZ-80BやMZ-2000(ついでにMZ-80Cも)がグリーンディスプレイ (黒と緑のモノクロディスプレイ)を内蔵していたため、 「グリーン設計」と皮肉られたりもした。 初期のMZ-80K/Cは銘板の機種名の下に「Clean Computer」と書かれていたが、 MZ-80Bあたりから銘板に「Personal Computer」と書かれるようになった。

- D -

ディスプレイコード

MZ-80K/Cでは、キャラクタのアスキーコードと、 V-RAMに書きこむコードが異なっていた。 これは、アスキーコードで画面に表示されない文字の分のコードを、 セミグラフィック(80×50ドットの擬似グラフィック) 用のパターン(2の4乗 = 16個)などに割り当てるためであるが、 セミグラフィックと関係のない文字までアスキーコードと違うコードであるのは 不便であった。

電磁メカカセットデッキ

MZ-80Bの内蔵カセットデッキなど、 APSS機能やプログラムコントロール機能のついたカセットデッキの呼び名。

ドクターパソコン

パソコンサンデーに出演していた、 シャープの顧問でもあった宮永好道先生のこと。 後にDOS/V magazine等で活躍。1999年1月23日に永眠されました。

- F -

FM-8 (Fujitsu Micro 8)

NECとシャープが当時のホビーパソコン界の覇権を争っていた頃、 富士通がパソコン界への進出をはかって出した機種。 CPUに6809を採用していたため、68派ユーザーの心をつかむ。 FM-8の後継機種FM-7が爆発的に売れた頃から、MZの凋落が始まる。

FORM

ハドソンソフトが開発したFORTRAMまがい?の言語。 このようにBASIC以外の言語を使うのに支障がないのがクリーン設計の強みである。

- H -

ハイスピードBASIC

MZ-80K/CのSP-5010以降のBASICインタープリターのこと。 MZ-80K発売当初のBASICインタープリターSP-5002が、 作り方に問題があったのかどうか知りませんが、処理速度が遅かったので、 クリーンコンピュータの特徴を活かして、 処理速度を改善したBASICとしてSP-5010を出した。

火の鳥

MZ-2500のこと。

- K -

高速オートリピート

MZ-80B/2000/2200のBASICで、 リアルタイムで現在押されているキーを取得するコマンド(GET文)が キーのリピートに対応しておらず、 そのままではゲームプログラムに使いにくいため、 メモリのあるアドレスをPOKE文で書き換えることで、 キーがリピートするようになる裏技。 ただしリピートするスピードが速すぎるため、 そのままでは普通のコマンド入力には使えないため、 プログラム終了時に元に戻す、 プログラム中断時のためにファンクションキーに元に戻すPOKE文を定義しておく といった配慮が必要であった。
MZ-80K/Cでは、GET文を実行する直前に、 あるアドレスを毎回POKE文で書き換えるという方法(裏技)だったので、 MZ-80Bのような問題は起きなかった。

- M -

MZ-1200, MZ-2000

型番がそれまでのMZ-80なんとかから、 MZ-数字というパターンに変わった最初の機種。 1200と2000という数字の由来は知らないが、筆者個人としては、 MZ-1200とMZ-2000のカセットのボーレートが それぞれ1200bpsと2000bpsであることにちなんでいるのではないかと推測している。

MZ-2861

MZ-2500相当の8ビットモードと、80286CPUの16ビットモードを切り替えて使える機械。 シャープのワープロ専用機「書院」なみ?のワープロ機能がついていた他、 PC-9801をソフト的にエミュレートする機能があった。 同時期に発売された、エプソンの98互換機PC-286は訴訟問題にまで発展したが、 MZ-2861はNECに黙認された。 実質的にMZシリーズ最後の機種となったMZ-2861が、 ソフトエミュレーションという形でNECの軍門に下ったことが、 MZの末路を象徴していた。

MZ-40K

シャープがMZ-80Kと同時期に売っていたワンボードマイコン。 CPUはMB8843。以前ここでCPUはZ80と書きましたが、間違いでした。

MZ書院

MZ-2861のこと。

マイコン博士

MZ-40Kのこと。

- N -

No.500

X1turboの開発コードだという説がある。

ニコちゃんマーク

MZ-80K/Cのアスキーキャラクタ。 MZ-80K/Cはアルファベットの小文字のキャラクタを持っていない分、 色々なグラフィックパターンのキャラクタを持っていた。 MZ-700のS-BASICでは、 ニコちゃんマークがアルファベット大文字&カタカナのキャラクタパターンと、 アルファベット小文字&ひらがなのキャラクタパターンの、 切り替えコードを表すのに使われた。

- P -

PC-8001

MZ-80K/Cの宿命のライバル。 MZ-80Kに約1年遅れて登場したが、 8色カラー表示(MZはモノクロ)、 160×100ドットの擬似グラフィック(MZは80×50ドット) など魅力的な機能によってかどうかは知りませんが、 当時を代表する機種となる。 PC-9801に代表されるNECの成功は、PC-8001が始まりである。

PCG

グラフィック機能のなかったMZ-80K/Cのために、 キャラクタパターンをユーザーが定義できるようにする周辺機器で、 ゲームプログラムに重宝された。HAL研究所が開発。 型番がPCG-8000だったため、 後に出たPC-8001用のものの型番がPCG-8100になってしまった。 登場時期を考えるとグラフィック機能がないのが致命的?であったMZ-700用にも、 PCG-700が発売され、筆者も購入した。

PET2001

MZ以前からあったアメリカのコモドール社のパソコン。 オールインワン型のスタイルは、MZのモデルになったと言われる。 ライバルのAppleUがメジャーになり、 発売元のアップルコンピュータも超メジャーになったのに対して、 コモドールの方はあまりぱっとしなかったあたりが、MZの運命を表している。 PETではなくAppleUのスタイルをまねるべきだったのか!?

POWER TO MAKE YOUR DREAM COME TRUE

X68000XVIの本体の側面に書かれているメッセージ。 当時のX68000シリーズの販売戦略は、反PC98勢力の青少年にターゲットをしぼった、 反体制派のノリそのものであった。 X68000XVIの広告は、「父のパソコンを超えろ」というコピーで、 PC98シリーズのビジネス向きの仕様にあてつけた比較広告まがいのものであったが、 この本体側面のメッセージもそのような方向性を表している。

PWM方式

MZ/X1のカセットテープへのデータ記録方式。Pulse Wide Modulationの略。 富士通のFMシリーズもPWM方式である。 NECのPCシリーズはFSK方式 (Frequency Shift Keying)。

パソコンサンデー

テレビ東京系列(TXN)で放映していた、シャープの洗脳番組。制作はテレビ大阪。 初期の頃は番組全体(30分)がBASICのプログラム講座であったが、 徐々に、 ゲームソフト等やプログラミングの裏技などの情報番組としての性格が強くなる。 公共放送NHKのマイコン入門がPC-8001を対象にしていたあたりからも、 MZの非主流ぶりがうかがえる。

パピコン

NEC PC-6001の愛称。

- S -

S-BASIC

MZ-700に付属していた2種類のBASICインタープリターのうち、 SP-5030の流れをくむ方のもの。ちなみにもう一方はハドソン系のHu-BASIC。 PC-8001やFM-8のBASICにはN-BASICとかF-BASICという名前があったの対して、 MZ-700以前のBASICは型番(SP-○○、SB-○○)で呼ばれていた。 MZ-700が登場した頃は、すでに三洋やソニーが8ビットパソコンに進出していたが、 なぜかS-BASICという名前は空いていた。

Super MZ (スーパーMZ)

MZ-2500のこと。

シャープに爆弾を仕掛ける会

初期の頃のOh!MZ誌に連載されていた企画。

セミグラフィック

MZ-80K/Cではグラフィック機能はなかったが、キャラクタパターンの一部に、 1文字を縦・横それぞれ2等分にした16通りのパターンを用意して、 80×50ドットの擬似的なグラフィックが使えるようになっていた。 テキスト画面が40桁×25行なので、80×50ドットである。 しかしながら、PC-8001の160×100ドットの擬似グラフィックならいざしらず、 80×50ドットではいくらなんでもまともなグラフィックは表示できず、 しかもこの擬似グラフィック用のキャラクタパターンは、 ドットとドットの間に隙間があるパターンであったので、 はっきり言って無用の長物と化していた。

- W -

WICS

キャリーラボという会社が作ったBASIC風コンパイラ言語。 I/O誌系の投稿ゲームプログラムに愛用された。 キャリーラボからは、システム開発用?として、 BASEというアセンブラに近いコンパイル言語も出ていた。

- X -

X1

シャープのMZとは別の事業部が出したパソコン。 MZを開発したのは最初は半導体の事業部で、 後にコンピュータの事業部に移管されたが、 X1を開発したのは家電の事業部である。 そのため、 ディスプレイがTVになりコンピュータの出力をスーパーインポーズできるなど、 当時としては家電を意識したパソコンであった。 コンピュータ自体は、MZとNECのPCを折衷したような仕様であった。 MZの凋落するのと同時にX1が伸びてきたので、 X1シリーズがMZ派ユーザーの受け皿となったようである (筆者もその一人である)。 ソフトバンクから出ていたシャープ機種専門誌Oh!MZも、 1987年12月号より誌名をOh!Xに変更した。

- Z -

Z80

MZシリーズやNECのPCシリーズの8ビット機種に使用されていたCPU。 インテルからスピンアウトした人達がザイログという会社を作り、 インテル8080の上位互換CPUとしてZ80を登場させた。 Z80は大ヒットしたが、16ビットCPUの時代にはザイロクのCPU (Z8000) は流行らず、 後が続かなかった。

- 数字 -

16ビットボード

NECのPC-9801など16ビットパソコンが話題になった頃、 MZ-2000を16ビットCPU化するオプションとして発売になった。 とはいえ、MZ-2000は元々後からCPUを追加できるような設計ではないので、 本体を分解してキーボードの下の空間に 16ビットCPU (5MHzのi8088) のワンボードマイコンを据え付けるというシロモノであった。 日立のベーシックマスターレベル3にも16ビットボードがあった。


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