目次

眉根掻く


お風呂から上がって髪を
乾かしてたら
肩の凝るほど重いの

カセットが終はってたのを
ラジオにしたら
あの頃にはやりかけた
歌をやってた

髪さらさら髪つやつやだと
みんなみんな誉めてくれるけど
この長さは
傷の深さ
断つ切っ掛けの訪れぬ
遣る瀬の無さ

友達が美容師になり
初めての客
をかしいくらゐ切られて

誰かとまた恋仲になり
ずっと短く
してようと思ったのに
時は速やかに

髪すべすべ髪いきいきだと
みんなみんな誉めてくれるけど
この長さは
意気地の無さ
断つ切っ掛けに臆病な
遣る瀬の無さ

髪さらさら髪つやつやだと
みんなみんな誉めてくれるけど
髪すべすべ髪いきいきだと
みんなみんな誉めてくれるけど

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何とかしてくれ


屋根の修理をしてたら梯子が外れちまった
何気無く手を突いたら非常ベルだった
喫茶店で粘ってたら財布が空だった
誰か何何何とか何とかしてくれ

何何何とか何とかしてくれ

スタートダッシュのつもりがバックギアだった
刈り上げたら大きな禿が見付かった
ボーゲンで急斜面の前に転び損ねた
誰か何何何とか何とかしてくれ

何何何とか何とかしてくれ

何何何とか何とかしてくれ
何何何とか何とかしてくれ

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冬来たりなば


高速の延びてる
斜面を避けて
膝の笑ひさうな
林道を上り

手袋ぬれてる
可愛い耳当て
姪の泣きさうな
顔に負けおぶり

谷をひと目に見渡す
高台でひと休み
青と白
空と雪より
何も無い不思議

おまへも解るか
春までかうさ

ガキのお守りをして
今日も日が暮れる

ガキのお守りをして
今日も日が暮れた

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淫乱


長い睫の似合ふ淫乱
赤いマフラの好きな淫乱

ねー
きみはどのタイプ
言ふこと無しの淫乱

淫乱
淫乱

ねー
きみはどんなタイプ
産まれついての淫乱

淫乱
淫乱
淫乱
淫乱
淫乱
淫乱

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すっぽかされたの誰だ


すっぽかされたの誰だ
でも
みっともないから言はない
でも
きっと電車が遅れて
でも
かっ飛んで来る途中さ
でも
ちょっと本屋に寄って
でも
あっと言ふ間に陽は落ち
でも
そっと立ち帰って見て
でも
やっぱり待ってゐなかった

ひでーなー莫迦野郎
ひでーなー

1から10まで数へよ

てめーなー莫迦野郎
てめーなーこの野郎
てめーなー莫迦野郎

10から1まで数へよ

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春遠からじ


冬ざれ
冬枯れ

あー,寒かった

乾いた唇
嘗めやうとしたのに
痛くて渋い笑ひ顔になった

上着に付いてる
粉雪水玉に
眼鏡を拭かないから躓いた

例へば
月日に堪へて古惚けた姿見も
磨けば
月の光・星の光に辺りを預かり

ぼんやりしてゐる
横顔といふのに
見詰めるうち目頭が熱く

空あくびでごまかしたつもり

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ちとてんしゃんてん(ギター小僧に捧ぐ)


閃き捕へたなら
徹夜明けでも
指に覚えさせなきゃ
眠れないのさ

ぼくの大切なレスポールを張り詰め
凄いフレイズを
きみの琴線に触れるやうにと
ちとてんしゃんてん

おねだりされたのなら
誰かの曲も
けどオリジナルでなきゃ
意味が無いのさ

ぼくの大好きなストラトを張り詰め
長いフレイズを
きみの琴線に触れるやうにと
ちとてんしゃんてん

きみの琴線に触れるやうにと
ちとてんしゃんてーん

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さぁどうぞ


ふう
ふう

あつあつ麦ごはんに
卵の溶いた奴に
たんと濃口醤油に
箸を立て
掻き混ぜ

あをあを菠薐草に
若布の切った奴に
たんと薄口醤油に
胡麻に

さぁどうぞ
ふう
さぁどうぞ
ふう
さぁどうぞ
ふう

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夏のPHOTOGRAPHS


5月の河川敷
バイクの練習してる
シャター チャンス
きみのphotographs

擦りむいて嘘泣き
次のポーズを練ってる
シャター チャンス
夏のphotographs

シャター チャンス
Canonのcameraで

シャター チャンス
シャター チャンス
シャター チャンス
シャター チャンス
シャター チャンス

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all words written by nii. n