神奈川月記9903

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97年2月にデジカメを買ってからコトある毎にバシバシと記録にあい努め,というようなことはなくて現在に至る。あい努められなかったのはカメラがもひとつ・もふたつだったからだ。
画質を云云するのではない。おれのDS-7はフィルム_メイカらしいきれいな絵作りで定評があり,35万画素(VGA)の解像度は当時の水準をクリアしていた。おれも取り立てて不満を覚えない。

DS-7で困るのはこんなこと。

  1. 電池莫迦食い
  2. PCへの転送が面倒くさい
  3. 接写ができない

1.は屋外で使うのが非現実的なほどの問題である。記録カード(2MBスマートメディア)に30枚とれるのだが,これを満杯にする前に電池が切れてしまう。単3アルカリ4本の入手は比較的容易であるものの,日いっぱい行楽地でスナップを撮るのに何本もち歩かねばならんのか想像したくもない。

結局は2.なのよ。面倒くさいん。シリアル_ポウトにケイブルを繋いで受信ソフトを立ちあげてカメラを送信モウドにしてせーのでデイタを送ってヴューワで1枚1枚チェックして単なる通番ファイル名をリネイムして,なんてやるのが。
どうなん,これ。えんかな,いつまでもこんなことで。

スマートメディアに関してはFDに擬態するアダプタが出てはいる。しかしそれは例によって for Windowsしかも32bitのドライヴァしかなく,その他OSへの対応は絶望的である。PCカード用のアダプタもあってそれだとOS/2は読むかもしれないが──未確認──それ専用になるに決まっているPCカード_リーダをわざわざデスクトップ機に設える気はしない。
もっと直裁で良い,FDに書き込むカメラがあれば良いのだ。もっと言うとJPEG画像をまんま書いてくれればそのFD自体がライブラリになる。JPEGを展開できない(ヴューワを持たない)PCを見つけることのほうが難しいから,どこで撮影しても最寄りのPCにコピイできる。ナニ iMACからFDDが無くなった? みな後付けするに決まっておるわい。

実はそういうのはあるのだ。ソニーのマビカである。画質はそこそこ・ズームが利いて(10倍)・PCへの転送はFDをダイレクト_イン。か・完璧。おれの要求仕様そのものではないか。
後継機は値段が安くなる方向ではなくて,動画記録やメガ画素・高倍率ズームといった多機能方面へ進行中である。おれの好みとデジカメ適正価格を鑑みるに,型落ち寸前のMVC-FD71を買っておく好機であろう。
バーゲンの季節ではないけれど,ソニーじゃ安くなりはしない。買うことにした。

そう言えばマビカって大昔2in.のFDで出てたんだよね。2in.ってのが無理大ありなんだけど,あれもソニーのフライング規格だったんだろうなあ。画像フォーマットも独自だったのかしら。

MVC-FD71は横浜のディスカウント店で買ってきた。
思ったより品薄で,ラインナップの上と下(MVC-FD91/81と51)に挟まれて在庫の谷ができている。FD81はMPEG動画みたいな余計な機能が付いて莫迦たかく,FD51にはズームがなくて寂しいのだ。
FD71も高がデジカメというおれの感覚では高いのだが,写真をPCに取り込む手間を省くその1点にカネを注ぎ込む。カメラ内蔵のFDデッキ・ドライヴァを買う心意気だ。

おれがデジカメを欲しいのは,webに載せる阿呆な写真を撮るのが第一目的。
webに載せるのは身近な物品の記録というか証明というか自慢しいが主眼なので,神の宿る細部を撮るのにぐっと寄る必要がある。
DS-7でフォーカスの合うのはせいぜい1mで,液晶モニタはピントの確認ができるほど精細でない。ほとんどの場合ピン惚けになっていたのだった。ははは。その点FD71は1cmまで寄れて,ピント合わせを手動でやるなら液晶にロックオン_マークが出る。

そうそうFD81クラスだと画素数が85万に上がってしまうのだ。FD71の35万画素は今となっては貧弱な部類に入るようだし,画質直結のファクタだから数の増すのは,それは良いことだろーが即ち画像ファイル_サイズが大きくなるということである。実用面からすれば痛し痒しであるよ。
たぶんJPEGの圧縮率の違いと思うが,標準とファインのモウドがある。前者は1枚25〜30KB,後者で60KB前後のファイル_サイズになるようだ。
圧縮しないBMP撮りもできて,こちらは1MB弱になるんで1枚1FDの贅沢モウドだな。

さて MVC-FD71,でかいですよー。FDデッキに液晶とレンズを付けたようなものだから──「FDウォークマン」をイメイジしよう。逆に言えば最大限最小化への努力が払われているわけだ──前面投影面積は3.5in. FDの1.3倍ほどある。FDのシャター部分をもう1度足したくらいの大きさだ。グリップの厚みは5cmほど,十数枚かさねたFDを握った感じである。500g近くあって持ち重りがする。
背面の液晶と細かいスイッチ群は,ソニーらしく巧みに配置されてシャターを切る邪魔にならない。

このマビカ_シリーズ,実は本体だけ買ったのではダメで,専用バッテリと充電器が必要なのである。これがくそ高くて15k円。ここで買うヒト全員予算オウヴァでずっこけるはずだ。
バッテリだけ本体だけを買い足すこともあるから同梱しないのさ,という理屈は解らいでもないけれど,絶対必要なんだったら一所に括ったパケイジも用意してもらいたいよ。バッテリ_パックを捜すのに往生しまっせ
しかし高いだけのことはあるのかな。バッテリの持ちには驚いた。軽く2時間以上もち,2000枚連続撮影できるそうである。何しろACアダプタ端子が付いていないのだ。2000枚撮るためにはFDを(標準画質で)70回くらい交換せんといかんのだけど。

実際に使ってみるとFD直書きの威力が解る。ちょこっと撮って即HTML貼り付けというときシリアル_ポウトも転送ソフトも準備しなくて良いのだ。FDを当たり前に差し込んで当たり前に*.jpgを読める。

デジカメはとっくにメガ_ピクセルでムーヴィはDVで,そのスピンアウトを利用して必要充分な画質が残せるようになった。おれもうこれでOKだな。
次にソニーがどうするかっつうと,カメラで撮ってそのままインタネット接続してemailで飛ばすかweb(の置いてあるサーヴァ)に転送するかだろうね,きっと。カメラに日付・時刻を設定するのと同じようにemail IDやweb/FTPアドレスを登録するんだ(so-netのみ対応?)。それからプレステに読み込ませて,ゲイムの背景が自分で撮った景色や部屋になるのさ。誰かを撮ってパラッパ体型にするくらいはできそうだ。

1999年3月8日


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神の宿る細部
 誰の言葉か忘れた。教養ないのに引用するな>おれ。

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それは良いことだろー
 井上陽水『傘が無い』の1節。

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往生しまっせ
 漫才コンビ・大木こだまひびきの渾身ギャグ。あ,こだまさんのキメ技ね。

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パラッパ
 パラッパラッパーは殆ど唯一プレステでやってみたかったゲイムだな。

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written by nii. n