神奈川月記9812

前月目次次月


結石を探すのでまた病院へ。
超音波スキャナを操るのは驚いたことに女医さんである。なぜ驚いたかと言えばおれの真菌症の主治医も結石と診た救急医も女医なのだ。それぞれ大桃美代子・新井素子・山口智子が入っておられる。みっつ続いたら偶然ではないそうだが,誰が何を企んでいるのだ。

シャツを捲くりあげのズボンをずり降ろしので臍出し・半ケツ_ルックとなって女医さん(医者じゃなくて検査技師か)にゼリーを塗りたくられるの図は字に書くとやらしいな。
パンツ見せ状態で寝台に仰向けに寝ていると,コンビニ_レジのちょっと前のバーコード_リーダみたいなので下腹部をぐりぐり撫でられる。完全に無痛であり,赤外音楽も聞こえない。
技師は寝台脇のPCラックに向かって座り,おれを見ないでモニタの画像を注視したままスキャナを動かす。モニタはおれからは急な仰角で覗きこむような位置にあり,黒と青白のモノクロ画像がちらちらしているばかりでそこに意味を見出せない。尤も視覚画像とは随分ちがうんだろうから正面から観たってどうせ解るまいがな。
痛みのほうは前の週にこの超音波を予約した日以来ナリを潜めている。時時ぴりぴりするような違和感があっても痛くはないし,1日の大半は忘れていられる。それでもそのぴりぴりする所にスキャナが来ると,技師の手がぴたり停まるのだ。はーん,やっぱり今そこにある危機なんだろうなあ。

10分かそこいらで検査はおしまい。結果は2日後には判っているが予約の都合で次の診察まで5日まつ。

結石って要するに余剰カルシウムの析出だよね。
今にして思えば。

  1. しゃぶしゃぶをやたら食ってた。
  2. 前の週なんだか左脇腹の気持ち悪い日があった。
  3. 異様な肩こりが続いている。
  4. 乳酸カルシウム粉末を日に3包のんでいる。
  5. 慢性の寝不足だ。
  6. 缶コーヒ自主規制で水分摂取の総量ダウン。

4.と6.は真菌症の治療が絡んでいる。服薬のメインたるプレドニンは骨や筋を弱くする副作用があるそうで,おれが膝の痛みを訴えたら乳酸カルシウムが処方されたのだ。機能食品のつもりで摂ればよいとのことであったが,1日3gは多すぎたようである。またダイエットの一環で砂糖の制限を課しており──これはおれの自主規制──日に5・6本のんでいた缶コーヒ・ジュースの類を1本に落としている。代わりに無糖の茶やコーヒを飲むようにしたんだけど,おいしくないんで量を稼げない。
2.と3.が予兆だったのだなあ。ただ予兆を感じ,事前に察知できたからと言ってそれが何なのーという気がしないではない。可知なれど不可避ではないか。
1.と5.は関係ないか。やたらしゃぶってたって月一以下の頻度だもんな。寝不足は全身ケアの話だし。

結局のところ石はもう無いということである。あ・そうなん。
レントゲンと超音波で発見できずあれ以来いたくないのだから,いつの間にか出て行ったと考えざるを得ない。それは珍しいことでもなくて,発症の4割方は自然に排泄されるのだ。再発率も同じくらいらしいんだけどさ。


今年はほんとに消耗した。入院したんだから充電になった? ならないよん。仕事をしていなかっただけで,休にさえなっていないのだ。今回10年かけて倒れてみせたが,次は早いぜ。

1998年12月30日


前月目次次月


みっつ続いたら偶然ではない
 日勤の泌尿器科の先生は男なので本当はみっつ続いていない。偶然である。話の流れ優先である(酷い)。

戻る


赤外音楽
 原作は誰だっけ。小説も読んだかもしれないが,おれが憶えているのは失われた名作の誉れ高いNHK少年ドラマシリーズの1作としてだ。これはネタばれするといけないタイプの作品だよね。粗筋を書くのはよそう。

戻る


今そこにある危機
 ハリソン"インディアナ"フォード主演の映画らしい。

戻る


written by nii. n
時系列情報 時系列