EtherTalk敷設大作戦

さて、1999年3月になり、MacOS8.5.1のインストールが無事に終わって安心した私は、ついでにかねてから狙っていたEthernetを張ることに乗り出しました。

その前に、それまでの私の家でのマシン環境はというと、私がPowerBook 2400cにLibretto 50、同居人がMac LC630でした。Mac同士はLocalTalkで接続されており、ノロノロとしたLANが一応張ってはあります。

同居人が99年2月にMac New G3(青と白のスケルトンのやつ)を買い足したこと、加えて、モノクロの大量印刷が可能なレーザープリンタを購入することも考えたため、ここらでさすがにEthernetを張ってもいいのではないか、そうすればWindowsマシンとのファイル共有も可能になるぞ、というわけで、初めてネットワークにお金をかける気になったわけです。


●機器選択

このような前提から、以下の機器が必要になります。

New G3は、最初からEthernet接続が可能なので、ネットワーク・カードはいりません。
逆に、PowerBookとLibrettoのようなノート型マシンは、PCMCIAのLANカードがいります。LC630も、LC PDS スロットに挿せるネットワーク・カードがいります。

問題はまず、10Base-Tでいいのか、100Base-TXでいくのか、ということです。せっかくNew G3が入るので、せっかくだから100Baseでいきたい気持ちもあります。
しかし、LC630のネットワーク・カード(DTIのものを狙っていた)は10Baseです。また、レーザー・プリンタの内蔵Etherやネットワーク・カードも、10Baseにしないと非常に高くなる。特に、レーザープリンタに20万円も出せない(それくらい出せばPostScriptプリンタも買える)し、それをさらに100Base対応にするともっと値段が上がる。結局、どこかに10Baseが混じる。
そして、この場合、HUBのほうは10Baseと100Baseの混在を許すものだと、性能の高いスイッチングハブにした場合に、やはり価格が圧倒的に高くなる。
結局、値段を安く上げたいという考えがあったので、今回は10Baseで統一することに決めました。ただし、ケーブルだけは将来100Baseに移行できるものを購入することにしました。

実は、我が家はまだISDNダイヤルアップルーターにしていません。ここまでやると、インターネット接続も含めて快適になるのですが、今回はプリンタを買うので、そこまで手を広げるのは止めにしました。


●購入

秋葉原に赴き、ネットワーク関連のコーナーと、レーザープリンタをいろいろ見て回ります。結果的には、こんな選択になりました。

最初に、まずレーザープリンタ以外の製品を購入しました。そして、LANを張った後で、レーザープリンタを購入しました。

DTIの、LC PDS用のLANカードは、Mac LCシリーズに共通の規格の製品です。これで68040までの古いマシンも、Ethernetに繋がります。

TDKのPCMCIA型LANカードは、2枚組です。PowerBookとLibrettoの2台に必要なので、TDKとCoregaのもののうち、安いTDKのほうを選びました。私の所有する両方のマシンで動作することが、メーカーで公認されています。

HUBは、とにかく安かったプラネックスのもの。ただ、これは沖電気のレーザープリンタで、PS800系列のものが動かないのだそうです。私が購入した12nはきちんと動きました。

最後のレーザープリンタですが、秋葉原では圧倒的にEPSONのものを扱う店が多く、私がターゲットにしていた12nは、LaOX Mac館でしか販売していませんでした。
ただ、どう考えても、10Base内蔵(EPSONはどのプリンタでもEther関連はネットワークカードを買う)で、プリントもそこそこ速く美しく、MacとWindows両方のプリントサーバ機能を持ち、ドライバにも癖がない、ということで、EPSONより気に入った。結局、LaOXで買いました。

99年3月の時点では、意外にもLaOXがけっこう頑張った値段をつけていて、もっと安い店もあったのですが、細かい店を回る手順が面倒なことを考えて、楽してけっこうLaOXにお世話になっています。
(マニアな人は、絶対にそんなことしないでしょうけどねぇ。)


●LANの敷設作業

このあたりの話は、はっきり言って単純。要するに、まず現在のケーブル類を整理し(LocalTalkのケーブルなどを外したりする)、HUBの設置場所を決め、Etherケーブルを張って、あとはマシンごとの設定作業。

のはずだったんですが・・・

PowerBookで使うTDKのLANカードの解説書に

Macの場合、7.6.1以降は、付属のドライバをインストールする必要はなく、最初から入っている

と書いてあります。ところが、自分の8.5.1のフォルダにはまったくEtherTalk関連のファイルが入っていない。意を決して、MacOS 8.5からの再インストールを決行しました。

ところが、インストーラーであれこれ調べたりしても、どうもMacOSについてくるEtherTalk関連のファイル群は、どう見ても内蔵EtherTalkアダプタ専用のファイルにしか見えない。仕方ないので、それらのファイルがインストールされるように、カスタム・インストールをします。そして、再起動。
なんと、まったくLANカードが認識されない。具体的には、デスクトップにカードのアイコンは表示されるけど、機能していない。
ここでハマってしまい、TDKのサイトまで見に行ったりしてしまいました。そこで最新版のドライバをダウンロードしてみると、どうもフロッピーに入っているのと同じ!
何のことはない、最初から付属のドライバをインストールすれば、システム再インストールの必要もなく、認識されたのです!
だって、ねぇ。マニュアルに書いてあれば、それをまず本気にするよ。確かに、よく確認しなかった私も、ちょっとはまずいかもしれないけどさ・・・
うぅ、私の1時間を返せ〜〜!!

で、PowerBookのほうは無事にいきました。同居人のLC630も、カードを挿すのが少し怖かったけど、あとはうまくいきました(同居人がやったので、詳しい過程は知らない・・・)。このDTIのLCシリーズ用カードは、MacOS付属のドライバのみで動くのがエライです。何の苦労もない。

ここまでやったら、それぞれのマシンのコントロール・パネルの中のApple Talkを開いて、ネットワークの経由先をそれぞれのLANカードにする。たかだか数台のネットワークなら、ゾーンの設定なども必要ありません。
めでたく、EtherTalk経由でのファイル共有が出来ました

今度は、Libretto君でLANカードを認識させます。ところが・・・これが、まったくマニュアル通りにいかない。これは大変に困り、インターネットやNiftyのFTOSHIBAなどで情報を漁ったのですが、ドライバのインストールに苦労した、という話自体が出て来ません。

最終的な結論は、まだこれを書いている時点では出ていないんです。東芝のテクノセンタ秋葉原に持ち込んで、いろいろお話を伺ったのですが(注意:ここはマシンを持ち込み、係員と対面で質問しながらマシンの面倒を見てもらえる)、どうもやはりLibretto 50でずっと使っていたWindows95が腐っているらしい、ということしかわかりませんでした。
で、データのバックアップ、ハードディスクのフォーマット、Windowsの再インストール、その後で新たにLANカードの認識、という手順になります・・・が、MacにもSoftWindowsが入っていて、緊急度が低いため、まだ何もしていない・・・


それはともかく、Macではうまくいきました。

さらに、後日、プリンタが届き、設置してEtherケーブルを繋ぎ、マックにドライバをインストールしたら、一発でプリントが出来ました。Windowsとの共有を除くと、一応希望した条件は、すべてクリアしました。


●使用感

ところで、家庭内LANでわざわざEthernetを、と思う方も、いまだにいらっしゃるかもしれません。

私も、つい数年前まではそう思っていました。

ですが、現在はハブも安く、LANカードも手ごろです。ましてや、プリンタがLANで繋がるとか、ISDNダイヤルアップルータを繋げるなどと考えると、Ethernetのほうが断然お得です。

実際に、AppleTalkでのファイル共有の使用感(このページではベンチマークなどをとったりはしませんよ)は、LocalTalkだと電話回線経由でハードディスクを共有している感じになるのに対して、EtherTalkだと遅いハードディスクをそのまま共有している感じになります。
これには、MacOS 8.5以降でファイル共有の速度向上が大きく貢献していることは、間違いありません。PowerBook2400cも、New G3 (350MHz / Zip)も、OS 8.5.1です。
ここまで速いと、今までは共有を憚られたような大きさのファイルでも、平気で共有するようになります。その恩恵は、意外に大きいです。

また、私は10Base-Tで実行しています。これが100Baseならば、まさにハードディスクそのものの共有と大差ない環境になるでしょう。

あ、ネットワークが初めての方へ。


あと、プリンタのほうですが、OKI 12nは速くて快適です。

ただ、QuickDrawプリンタなので、プリントしようとするマシンの、スプーリングの速度に左右されます。この点、ちょっとPostScirptプリンタには負けています。
ちなみに、PowerBook 2400cでプリントする時は、バックグラウンド印刷は切っています。これが、New G3ならば、その必要はないくらいですね。

今は、ホームページの印刷、オンラインソフトのマニュアルの印刷などは、みんなこのプリンタに頼っています。

また、今まで我が家には、AppleTalk上でプリンタ共有をしたことがなかったのですが(共有できるプリンタを買っていなかった)、今回やってみて、一度経験したらもう元には戻れないと真剣に思っています。片方がプリントして、もう片方のマシンでもプリントして、それを順次捌いてプリントしてくれる。こんな素晴らしい環境は、会社でしか経験していなかったのですが、自宅でできる。ちょっと感慨深いものがありますね。


●今後の希望

もう敷いて以来、2ヶ月くらい経つのか・・・

もちろん、まずWindowsとの共有を、きちんとしなければなりませんね。うーん、他にやることがいっぱいあって、ちょっと面倒なんだなぁ・・・

あとは、ISDN化して、ダイヤルアップルーターを導入して、インターネットの接続も速く、楽にすることでしょうか。いまだにアナログモデムでやっていますからね。

とにかく、今回の件では、払ったお金の分、きちんと快適になって、ずいぶんと満足しました。


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