GROUP LIVING

to gain independence and self-condence in one's own community

自立と信頼回復へのグループリビング
(Group Living----for revovering the self-support ability and the trust)
English

主旨: 第二次大戦後の日本の経済成長は、質の高い、しかし経済リスクの低い日雇い労働力を前提せずには成立しえなかった。山谷は東京の縁辺にあってその労働力を恒常的に供給してきた街であった。しかしバブル経済の破綻以後は労働需要もなく、また産業構造の変化による潜在労働者数の低下・新規労働力の減少も伴う労働者の高齢化から、山谷そのものの衰退が始まっている。また定住地のない彼らに寝所を提供してきた簡易宿泊所(DOYA)は老朽化し、将来の展望のない中では更新も改善も新規の供給もされず、もとから不良なその居住環境(4-5u/room)は悪化するばかりである。一方で雇用の減少による経済的困窮と高齢化に伴う心身的荒廃と、今までは彼らを助けてきた伝統的家族形態が崩壊しているとから、多数の路上生活者が発生している。山谷全体での不安定居住者(homeless people)はドヤ居住者(DOYA resident)6000人、路上生活者(street people)2000人と言われている。


 彼らに対する行政の政策は雇用にしろ福祉にしろ不十分で、いくつかのボランティアグループが奮闘しているのみである。しかし現状のボランティアではそれらを十全にカバーするもできず、それを越える新たな対応が求められている。
 今回のプロジェクトでは、自活能力を喪失しつつある高齢路上生活者(elder homeless people)を対象に、彼らに正常な日常生活を回復させ、地域住民としての市民権を得るべく周囲からの信頼を獲得するような、新たな家族形態(=非血縁家族)の下での共同居住地として、自立支援型グループホーム(Group Living Home)を提案する。
 今回の提案だが、ホームレスの現状を勘案した制度が整いつつあること、政府から補助金を受けられること、そして旅館として収入もはかれることで、経済的な実現可能性は高い。

 今までのボランティアグループの活動には
@共同リビング(living room for members)(登録された会員が昼間にボランティアグループの事務所で食事をしながら過ごす)
A配食サービス(lunch delivery)
B自立プログラム(self-support program)
Cドヤ訪問(visiting members)
D給食相談会(lunch, counselling, recreation)
E特別行事(community festival)
F地域との交流(communication to community)
などがある。提案されるグループホームはホームレスの居住地であるとともに、こうした活動を継承し、さらに拡大させるNPOの拠点(homebase)として、山谷労働者とNPOの橋渡し地点ともなる。

 

山谷地域マップ ドヤの外観図 ドヤの内観図