H.Hiraizumi's Birding Page
【日本の貴重な鳥、希少な鳥、減っている鳥リスト】

広島市


「広島市の生物 ーまもりたい生命の営みー」(広島市環境局環境企画課2000)

 広島市版レッドデータブックに相当。一般に鳥は他の生物群と比べて情報が多く蓄積されていると思われるが、なぜか半数以上が情報不足で(同書の昆虫でも約4割)、準絶滅危惧のランクの該当種はなく、バランスが悪い印象がある。また、生息地の環境が保全されていればとくに問題はないとしてはずされた種もあるようだが、準絶滅危惧の種がないことも含め、生息環境の脆弱性についての考慮がどの程度なされたのかやや疑問。

絶滅(絶滅および野生絶滅)

 市域で絶滅の可能性が高いもの:該当種なし

絶滅危惧<

 現在の圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来に広島市で個体群の存続が危ぶまれるもの
ブッポウソウ
確実に繁殖しているのは1カ所のみ(巣箱での繁殖)。樹洞のある木が減少し、個体数が少なくなった。
ヤイロチョウ
安佐北区で繁殖。繁殖可能な環境が少なく、現在の繁殖地を保全することが必要。

準絶滅危惧

 現時点での危険性は小さいが、生息・生育条件の変化によって絶滅危惧のランクに移行する可能性が大きいもの:該当種なし

軽度懸念

 環境庁・県RDB種あるいはそれに相当する種で存続基盤が比較的安定しているもの
オシドリ
確実な繁殖記録はない。冬季は市域の水辺で散発的な記録がある。
ミサゴ
通年観察されるが、市域での繁殖は確認されていない。繁殖適地が少なく、えさ場の減少が懸念される。
ダイシャクシギ
観察回数が少なく、生息状況は不明。広い干潟の消失が生息の脅威と考えられる。

情報不足

 環境庁・県RDB種あるいはそれに相当する種で、希少な種であるが現状が不明なもの
ミゾゴイ
安佐北区で繁殖が確認されており、旧市内での保護記録もある。観察例が少なく、生息状況は不明。
チュウサギ
春から秋にまれに少数が観察される。市域での繁殖は確認されていない。生息地の水田や湿地で餌となる小動物の減少が生息の脅威と考えられる。
ハチクマ
市域での繁殖は確認されていない。春と秋の渡りの時期には、一日に数百羽を数えることもあるが、その増減は不明。
オオタカ
秋から春にかけて多数の記録がある。繁殖は確認されていないが、夏季の記録もあり、繁殖の可能性は十分考えられる。
ハイタカ
冬には多数の記録がある。繁殖は確認されていないが、繁殖期の記録もあり、繁殖の可能性は十分考えられる。
クマタカ
市域では安佐北区に生息し、繁殖も確認されている。個体数は少ない。営巣に必要な大木のある森林や英装置周辺の環境を保全することが重要である。
ハヤブサ
市域での確実な繁殖記録はない。島嶼部などで繁殖している個体が観察されるほか、冬季には市街地でも観察される。営巣地となる崖地の開発や、釣り人による圧迫がある。
ヤマドリ
市内の全域に少数が生息していると思われるが、生息状況は不明。
コアジサシ
草が生えていない埋め立て地を利用して繁殖しているので、埋め立て地の減少に伴い個体数は減少している。人、カラス、トビ、ネコ、イヌ等の侵入により繁殖が妨害されている。
コミミズク
市域の越冬場所は太田川下流域しかないが、1980年代からほぼ毎年渡来が確認されている。河川改修などによる越冬地の消失が懸念され、人やイヌなどの圧迫がある。
ヨタカ
1980年代にかなりの確認記録があり、繁殖の記録もある。しかし、1990年代になると観察例が激減し、個体数の減少を示唆している。
アカショウビン
県北部での記録が多く、市域では安佐北区や安佐南区の山地の少数が渡来する。最近の報告数は少なく、広葉樹林の消失に伴う餌および営巣場所の減少で減少している。
オオアカゲラ
佐伯区や安佐北区で記録されているが、繁殖は確認されていない。近年生息数が減少しており、落葉広葉樹林の減少が原因の一つと考えられる。
サンコウチョウ
安佐北区や東区で繁殖が確認されているが、個体数は多くない。暗い林を好むため、森林伐採などの影響を受けやすく、野鳥愛好家の圧迫もある。

環境指標種

 その種に注目することにより重要な自然環境の維持に貢献しうる
サシバ
市域でも繁殖が確認されているが、個体数が減少している。山林の開発と餌となる小動物の減少が原因と考えられる。
ダイゼン
八幡川での観察がほとんどで、以前は毎年数羽の越冬が確認されていたが、近年越冬の記録はない。干潟面積の減少が原因と考えられる。
ハマシギ
以前は数百羽の群れが観察されたことがあるが、近年、個体数が減少している。干潟面積の減少が原因と考えられる。
アオバズク
市域では安佐北区や東区で繁殖が確認されているが、長年繁殖していた場所で繁殖しなくなった例も増えている。営巣している木や建物の保全が重要である。
フクロウ
市域中心部の近い山でも観察されているが、繁殖記録は少ない。大きな樹洞を持つ大木が減少しているので、繁殖個体の減少が懸念される。
オオヨシキリ
太田川沿いには大きなアシ原が残っているため近年も記録があるが、八幡川河口では1986年以降記録がない。アシ原の消失が原因と思われる。

参考1:自然誌構成種

 自然環境保全の対象として取り上げる要件を満たしていないが、広島市の自然環境を理解する上で重要と判断できるもの。

参考2:「広島市稀少生物調査報告」の種のうち、自然環境保全の対象として選定されなかったものとその理由

クイナ、タマシギ
近年市街地近郊では確認されなくなったが、周辺地域には生息すると思われる
ワカケホンセイインコ
帰化種
シロエリオオハム、マダラシロハラミズナギドリ、コクガン、アメリカヒドリ、シノリガモ、コシャクシギ、ヤツガシラ
きわめてまれに渡来する迷鳥
オオソリハシシギ、アオバト、ノゴマ、キビタキ、オオルリ、ツリスガラ、ゴジュウカラ、クロジ、ハギマシコ、イスカ、ニュウナイスズメ
生息地の環境が保全されていればとくに問題はない
アオサギ、ヒドリガモ、ホトトギス、ヤマセミ、カワセミ、イワツバメ
市域においてよく観察され、特にアオサギは増加、分布拡大傾向にある

参考:「広島市の動植物、広島市稀少生物調査報告」(広島市教育委員会1988)掲載の稀少鳥類

シロエリオオハム/ マダラシロハラミズナギドリ/ アオサギコクガンオシドリヒドリガモアメリカヒドリシノリガモハチクマクイナタマシギオオソリハシシギコシャクシギコアジサシアオバトホトトギスアオバズクヤマセミアカショウビンカワセミブッポウソウヤツガシラオオアカゲラヤイロチョウイワツバメノゴマオオヨシキリキビタキオオルリサンコウチョウツリスガラゴジュウカラクロジハギマシコイスカニュウナイスズメ/ ワカケホンセイ

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Last updated on Jan.5.1996
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