大舎人部祢麻呂 おおとねりべのねまろ 生没年未詳

下野国足利郡の人。上丁(かみつよほろ)。天平勝宝七歳(755)二月、防人として筑紫に派遣される。

 

白波の寄そる浜辺に別れなばいともすべなみ八度(やたび)袖振る(万20-4379)

【通釈】白波が寄せるこの浜辺で出航し、故郷を遠く別れてしまったら、ほんとにまあ、どうにもなす術もなく、何度も袖を振るばかりだよ。

【補記】「寄そる」は「寄する」の訛り。難波出港時の作か。


更新日:平成15年03月21日
最終更新日:平成15年03月21日