伝不詳。「他田」を「池田」とする本もある。万葉集巻八に二首。
他田広津娘子の歌一首
真木の上に降り置ける雪のしくしくも思ほゆるかもさ夜問へ我が背(万8-1659)
【通釈】真木の上に降り積もっている雪のように、しきりとあなたのことが思われます。夜に訪ねて下さい、愛しい方。
【語釈】◇真木 杉・檜・槙などの類。◇しくしくも 頻りにも。原文は「敷布毛」で、幾重にも降り敷く意が掛ける。
【補記】冬相聞。初二句は「しくしくも」の序詞。
【他出】古今和歌六帖、和歌童蒙抄
更新日:平成15年12月28日
最終更新日:平成21年04月05日
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