服部呰女 はとりべのあさめ 生没年未詳

武蔵国の人。服部於由の妻。天平勝宝七歳(755)二月、夫は防人として筑紫に派遣された。

 

我が夫汝(せな)を筑紫へ遣りて(うつく)しみ帯は解かなな(あや)にかも寝も(万20-4422)

【通釈】あなたを筑紫へ遣って、いとしいあまり帯は解かずに、わけの分からない不安に駆られて寝るのだろうか。

【語釈】◇解かなな 「解かずに」の意。帯を解かずに寝るのは気持を緩めない徴。夫に対する貞操を守り、その身を案ずる思いを示す。◇奇に 理由の分からない不安な心持を示す。


最終更新日:平成15年01月05日