やまとうたQ&A集


Q1-8.「千人万首」というコンテンツに【参考歌】【本歌】が掲載されていますが、「本歌」は誰が本歌と認定するのでしょうか。作者が本歌はこれだと注釈を入れておくのでしょうか。あるいは読む人が勝手にこの歌の本歌はこれだろうと決めるものなのでしょうか。あるいは歴史的に定説となっているものなのでしょうか。

A.「本歌」とされる歌は、だいたい万葉集と三代集(古今集・後撰集・拾遺集)の名歌に限られますので、ある程度和歌を読み慣れた者には、本歌取りかどうか、すぐに判断がつくのです。
ご質問に対するお答えとしましては、「【本歌】を認定するのは読者です」ということになりますが、決定の根拠は和歌の歴史、そしてそれに基づく、人々の共通理解にあると申せますので、個人が「勝手に」決め付けているというわけでもないのです。
ですから、実際のところは「歴史的に定説となっているもの」が大半を占めている、と申してかまわないと思います。

拙サイトの「千人万首」で【本歌】として挙げておりますのも、ほとんどは定説に近いものと言ってよろしいと思いますが、中には私が独自に判断した場合もあります。本歌取りかどうか、微妙なところになると、結局のところ、個人が「勝手に」判断するしかない、とも申せましょう。

なお、【参考歌】として挙げておりますのは、類似した語句や趣向を有する歌として、当該の歌を鑑賞する時に参考になると思われる歌々です。
例えば、古歌の名句や趣向を単に模倣している、あるいはたまたま似通っていると思われるような時は、その古歌を【本歌】とせず、【参考歌】としております。





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公開日:平成21年10月31日
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