藤原郎女
ふじわらのいらつめ
- 生没年 未詳
- 系譜など 藤原氏の女。藤原氏については不比等参照。
- 略伝 「久迩京に在りて寧樂の宅に留まれる坂上大嬢を思ひ、大伴宿禰家持の作る歌一首」(04/0765)に対し、「藤原郎女、これを聞きて即ち和ふる歌一首」(04/0766)がある。恭仁京時代(740〜744)に家持と交際があったらしいという以外、全く不明。なお当時在世した藤原氏の女子を挙げると以下の通り(皇室に入った婦人・当時幼女であった者を除く。一部、角田文衞「不比等の娘たち」―著作集5所収―を参考とした)。
- 吉日(よしひ、またはきび) 天平九年従五位下。不比等の娘で諸兄の室か。
- 多比能(たびの) 尊卑分脉などに不比等の娘で諸兄の室とする。一説に吉日と同一人。
- 百能(ももの) 麻呂の娘、豊成の室。
- 袁比良(おひら) 房前の娘、仲麻呂の室。
- 房前の女 豊成の室。下記の駿河古と同一人か。
- 殿刀自 天平十九年正四位上。不比等の娘で大伴古慈斐の正室か。
- 駿河古 天平勝宝元年正五位下。
- 弟兄子 天平勝宝元年従五位下。宇合の娘で巨勢麻呂の室か。
- 家子 天平勝宝元年従五位下。宇合の娘で魚名の正妻か。
- 児従(こより) 仲麻呂の娘、御楯の室。
- 豊成の女 いわゆる中将姫。
表紙へ