歌枕紀行 下野国

―しもつけのくに―

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伊吹山・黒髪山・標茅が原・那須・室の八島・遊行柳



下野国の主な歌枕(五十音順)

黒髪山 日光の男体(なんたい)山。山岳宗教の霊地。

ふりにける身をこそよそにいとふとも黒髪山も雪を待つらん(道興)


標茅(しめぢ)が原 栃木市の北、伊吹山の裾野。戦場が原の異称とする説もある。

猶たのめしめぢが原のさしも草我が世の中にあらむかぎりは(清水観音「新古今」)


那須 那須郡那須町。古くは下野国北東部の原野一帯を言った。

もののふの矢並つくろふ小手の上に霰たばしる那須の篠原(源実朝)


(むろ)の八島 栃木市惣社。大神神社境内に八つの島のある池がある。

いかでかは思ひありとも知らすべき室の八島の(けぶり)ならでは(藤原実方「詞花集」)

いかにせん室の八島に宿もがな恋の煙を空にまがへん(藤原俊成「千載集」)


遊行柳(ゆぎやうやなぎ) 那須郡那須町芦野。下記西行の歌の故地とされる。

道のべに清水流るる柳かげしばしとてこそ立ちどまりつれ(西行「新古今集」)

田一枚植えて立ち去る柳かな(芭蕉「奥の細道」)




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©水垣 久 最終更新日:平成12-11-16
室の八島 thanks!