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4572 清見かた浪の関戸のよる〳〵はあくる程なき月影そさす
4573 うつ蝉のはにをく露は色に出てなくねはたてし身をはかふとも
4574 程もなしあさつま舟の追風に雲ちともなふみしか夜の月
4575 風すゝしなくうつせみのからころも日もゆふたちの雲のきえかた
権大納言 河辺雪
4576 あともなしこほれておつるしら雪の玉しま川の河上の里 *1
4577 あまつ空たかぬく玉にをたえして霰みたるゝ野への篠原 *2
元仁元年四月四天王寺聖霊院絵堂 九品往生人画図
詠下品上生和歌
4578 たつたかはもみちなかるゝいはまよりにしきをくゝるみつのしらなみ *3
元仁元年四月四天王寺聖霊院絵堂 九品往生人画図
詠下品上生和歌
4578 たちかへる夢のたゝちにをしへおくうてなのはなのすゑのうはつゆ
廿八品の詩をつくりて哥をそへ侍中に常在霊鷲山
4579 わしのやまむかしのかけはかはれとも月こそあきをわすれさりけれ
唯独自明了 餘人所不見
4580 たれかしるちさとのくものほかまてもこころの月のとをきひかりを
碧玉 残月掛峰
(4581) 雲こりし嶺の松かえさたかにて秋風たかく残る月影 *4
峯 山城
4582 暮て行秋やかなしき嵐ふく小松か峯に鹿の鳴也 *5
(4583) 月といへはやとる影まて待物を露吹くれの野への秋風 *6
4584 木のはにも思ふみ山の住居哉しくるゝ月のみしかよの空
新古今時代 和歌五十二首
4585 あしかきの松にはつるゝむめのはなゆくてのはるをみてやすきなん
4586 とりのこゑ草のいろにはとゝまれとかつゆく水に花はちりつゝ
4587 み吉野ゝ吉野ゝやまのやまさくらいくよのはるをにほひきぬらん
4588 みてもなをあかすもあるかな花さかりをはつせやまのあけほのゝそら
4589 ゆくゑなくちりしく花をうらみても猶雲ふかき鳥のかへるさ
4590 たちとまるしたかけすゝしゆふたちのふるかはのへのふたもとの杉
4591 ひとりのみおもひくらしのこゑたへてあかすわかれし秋はきにけり
4592 世中はこのかりいほにまさるとてきくもはけしき山おろしの風
4593 難波江やあし間の月のおほろ舟霞にまかふ春の明ほの
4594 五月雨に海と成ては天川ほしのやとりやあまのいさり火
(4595) かきとむる詞のうみのかひそなき紅葉の舟も秋は過けり *8
4596 月ならてあまの河原のこほる夜やをなし雲まの鏡なる覧
4597 うつもれぬ身は後のなもかひもなしある世に苔のしたにくちなは
4598 まれにあふのりのもろ人あふきまつはしの高根に月そいさよふ
建保二九三当座
暮秋同詠二首応 製倭歌
参議従三位行侍従臣藤原朝臣〻〻上
暁山
夜恋
4599 たまほこやさゝわけしあさにぬれまさるいく夜のつゆにそてかくちなむ
(建仁二)
同年当座
九月十三夜侍
太上皇水無瀬院詠三首応
製和歌
4600 ゆくみつもしからみかけて秋の夜はみなせかはやは月もよとまん
夏夜詠二首応 製和歌
月令夏月云〻
4601 春の花をうらみしかけのはをしけみ月もうつろふよのほとそなき
4602 山さくらさくや弥生の春かすみたゝまくおしきよもの木のもと
4603 ほとゝきすありとなゝきそ橘はむかしをしれる袖のにほひそ
4604 神もわきて照月かけを契れはや秋のなかはにみ山出らん
4605 すくやともしらぬ月日を色に出てことしもふかくつもる雪哉
4606 久方のそらゆく月日もろともに照さむ程は御代もつきせし
社歌霜
4607 神かきや秋にはあへぬくすのははけさおくしもにふりやはてなん
4608 ゆふされははきのしたつゆふくかせのあまりてそむるをのゝしのはら
玉かつらきよくみせんと神山の豊のあかりの月もくもらす
春の苗代秋のかりほのそめきまてくるしく見ゆるしつのをたまき
(古活字本巻九、一〇九の次)
家集
雲葉
かはらしな三わのひはらのをのれのみ人のしくれはあきふかくとも
浦(くまのにまゐりける時)
浜木
わかのうらにうちいててみれはあはししま月になみこすやへのしほかせ
竿姫の遠山まゆのうす墨にかすむ柳のはるの面かけ *13
正 初空月 霜初月 初春月
今日も猶山かせ寒みふる雪のその名はかりや霞む初月
三 花見月 桜月 春惜月
なへて今盛とみえて桜月うすくもりなる四方の山のは
五 賤男染月 月不見月 橘月 吹喜月
いかゝして菅のを笠をさして行むしつまの空の五月雨の頃
六 風待月 鳴電月 常夏月
夏雨はなをはれやらすなる神の月にも成ぬ夏や暮らん
八 秋風月 月見月 紅染月
荻の葉に露ふきみたす音よりや身にしみそめし秋かせの月
十 時雨月 拾月 初霜月
ちりはてし木のはの後のしくれ月冬のはしめに何を染まし
十一 霜降月 神無月 霜見月
しらにきて四方の宮居の神楽月立榊はの音のさやけさ
十二 春待月 梅初月 三冬月
豊なる時そとみえて三冬月いそかにつもる雪ののとけさ
荻原やのへより野へにうつり行く衣てしたふ霜の月かけ
建仁元年影供歌合 古典文庫140
建仁三年六月影供歌合 〃
名古屋大学本拾遺愚草 同本写真版(ウェブ公開)
建保五年十一月内裏歌合 群書類従一九七
閑月和歌集 古典文庫410
六花和歌集 〃303
雲葉和歌集 群書類従一五二
夫木和歌抄 作者分類夫木和歌抄本文篇
蔵玉和歌集 群書類従二九〇
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公開日:平成27年03月22日
最終更新日:平成27年03月22日