下野国の人。火長(兵士の小集団の長)。天平勝宝七歳(755)二月、防人として筑紫に派遣される。
松の木(け)の並(な)みたる見れば家人(いはびと)の我(われ)を見送ると立たりし如(もころ)(万20-4375)
【通釈】松の木がたくさん並んでいるのを見ると、家族が私を見送るというので立っていたのをさながら思い出すよ。
【補記】「木(け)」は「木(き))」の、「家(いは)」は「家(いへ)」の、「立たり」は「立てり」の東国方言。「もころ」は同じ状態であること。
最終更新日:平成15年01月04日
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