大物主神と
大和三輪山麓、狭井川のほとりに住んでいたが、
奈良県奈良市の率川神社、大阪府茨木市の溝咋神社などに祭神として祀られている。
以下には古事記所載の二首を掲げる。
【通釈】狭井川の方から、雲が湧いて広がり、ほら畝傍山では、木の葉がざわざわ音をたてました。すぐここまで風が吹いてこようとしています。
【語釈】◇狭井河 奈良県桜井市を流れ、大和川に合流する三輪川。◇畝傍山 奈良県橿原市にある死火山。大和三山の一つ。山麓に橿原神宮がある。
【補記】古事記中巻。作歌事情は上記の略伝を参照されたい。
畝傍山 昼は雲と
【通釈】畝傍山をごらんなさい、昼はまだ雲が静かに懸かっていますが、夕方になれば、風が起り、吹いてきますよ。それを知らせるように、木の葉がざわざわ音を立てるのですよ。
【補記】古事記中巻。
【主な派生歌】
阿波々山ただに向へるさやの山木の葉さやげる秋たつらしも(*栗田土満)
眞晝閒の睡魔やさしき 畝火山夢に紫紺の風吹かむとぞ(塚本邦雄)
更新日:平成15年03月21日
最終更新日:平成15年03月21日