ソーラーサーキットな我が家の室温・湿度 (毎日自動更新)

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今月の温度
今月の湿度
温度 湿度

 「夏涼しくて冬暖かい」。このソーラーサーキットの謳い文句はどの程度真実なのでしょうか? 原理的には従来の内断熱よりもはるかに優れているはずですが、陽当たりなどの立地条件や間取りなどの違いから実際どの程度の性能が発揮できるのかは物件毎に違ってくるはずです。そこで論より証拠、実際に我が家でソーラーサキットの性能がどのくらい出ているのか客観的なデータを取るべく1時間毎に室温・湿度を自動測定することにしました(測定方法の詳細についてはこちら)。測定した一日分のデータは毎日自動でこのページに送られ、グラフが更新されます。

 測定点は、室内は (1) 2階インナーサーキット、(2) 1階ダイニング、(3) 2階ベッドルーム、(4) 2階マシンルーム、(5) 3階小屋裏の5点。外気温と湿度は気象庁のホームページで1時間毎に更新されるデータを取るようにしました(気温:つくば、湿度:水戸)。

 1〜2階の温度・湿度はエアコンや暖房器具を使用することもあり、ソーラーサーキットの素の性能だけでこの室温を達成しているわけではありません。ただインナーサーキットなどは冷暖房の影響を受けにくく、素直にソーラーサーキットの性能が出ていると思われます。

 今後ダンパーの開閉やエアコンのかけ方などを変えてデータを蓄積し、より快適な住まい方の参考にするつもりです。


備考:

 ・夏場: 2階マシンルームはサーバー等の排熱で室温が高めになる。
 ・夏場: 梅雨〜9月は、3F クーラーを24時間稼動。また IH ヒーター、洗濯乾燥で普通より電気を多用しているがオール電化ではない(=特殊割引無し)。それでも夏場の電気代は月2万円前後に留まる。
 ・冬場: 暖房は1階にしかないため、2階よりも1階の方が室温が高めになる。



感想:2003年 夏場編

18:00 までエアコン無し 3F エアコン常時稼動

 上のデータはどちらも最高気温およそ32.5℃の例。天気は朝から一日中晴れ。物件は真北以外に障害物が無く、一日中直射日光を受け続ける環境。ダンパーは上部、下部とも全開。左は 8:00〜18:00 までエアコン無し、右は 3F のエアコンを連続稼動している場合。どちらも窓は空けていません。

 まずエアコン無しの場合(左図)ですが、一番暑くなる 3F でも外気温と同程度までしか室温が上がらず、 1F ダイニングも 28℃以下に保たれています。

 また右図からは、3F のエアコン 1台でほぼ家全体の温度を均一に下げられることがわかります。もともとあまり暑くならないソーラーサーキットの家であること、現在のエアコンがかなり省エネ化が進んでいることから、電気代もそれほどかからないはず。今後は夏場は 3F エアコン常時稼動で過ごすことになりそうです。

 またこの例に限らず、昼間エアコンを切っているにもかかわらず1階ダイニングはどんなに暑い日でも30℃を超えたことがないのは驚きです @o@。以前住んでいた内断熱の賃貸物件では直射日光を受けた壁が熱を蓄え(夜になっても壁に触ると熱い!)、室温は外気温+5〜10℃が当たり前。エアコンをかけてもなかなか快適な温度まで下がらなかったことを考えるとこれは驚異的な快適さです。

 また確かに2階、3階と徐々に室温は上昇しますが、一番暑くなるはずの3階小屋裏(しかも天窓2つあり)ですら冷房無しで外気温と同程度におさまるのですからたいしたものです。

 まだ測定を開始して1ヶ月程度しか経っていませんが、想像以上に「夏は暑くならない家」だとデータ的にも感覚的にも実感できています。



感想:2003年 冬場編

温度状況
1階と2,3階に3〜4℃の温度差あり
湿度状況
加湿器により5〜10%の加湿効果あり

温度についての考察:

 ソーラーサーキットのような外断熱の家では、上下の温度差が少ない、といわれます。うちの暖房器具は1階に設置した温水パネル(5ヶ所)ですが、残念ながら1階と2〜3階は3〜4℃の温度差が出ています。実際、階段を上がっていくと、ちょうど踊り場のあたりで「温度の境目」を実感できます(汗)。うちは吹き抜け等は無く、階段のみで1,2階がつながっているためにうまく暖気が上がっていかないのかもしれません。温水パネルは輻射熱暖房であり、家全体が「ほんわか」と暖かいのは非常に気持ちが良く、また温風を出さないので埃を巻き上げることが無いのもメリットですが、そのぶん熱対流が弱く、結果的に1階と2〜3階で温度差が出てしまっているのかもしれません。今度踊り場に扇風機型ヒーターでも設置してみようかしらん(苦笑)。

 基本的に温水ボイラーの温度設定目盛りは5段階あるうちの「3」(メーカー推奨)で使用していますが、気温が低い日が続くと24時間換気の外気吸気口がある2階寝室は16℃ぐらいまで下がってしまいます。結果論ではありますが、温水パネルは2階にも設置すべきでした(もっとも2階に温水パネルを設置すると液漏れした際にかなり面倒なことになるので工務店さんは薦めなかっでしょうが・・)。あまりにも寒い場合はエアコンで補助暖房する必要がありますね。

 ちなみにうちの温水ボイラーのコントローラーは循環する温水の温度を一定に保つ機能しかなく、エアコンのように室温を一定に保つ機能がないのがタマにキズ。基本的に温水を常に一定温度に保つとランニングコストが一番安くなるからなのだそうだが、その日の気温に合わせて温水温度を調節するのは面倒なのもまた事実 ^^;

 熱負荷は温水パネルのメーカーが計算しましたが、なかなか計算通りにいかないようです。メーカーは当初温水パネル4ヶ所設置を提案してきましたが、直感的に不安を感じたので1ヶ所追加して5ヶ所に。おかげで1階はほぼ十分な室温を確保しましたが、2〜3階ぶんを考えるとそれでもまだ不足気味。もともと温度感覚は極めて主観的であり、「20℃で十分暖かい」というヒトもいれば「20℃では寒い」というヒトもいるわけで、寒がりの人はコストの許すかぎり暖房器具を多めに設置しておくにこしたことはありません。

 ちなみにうちの温水パネルは灯油ボイラーで、灯油タンクは満タンで200リットル。ボイラーの温度設定目盛り「2.5」で24時間運転するとほぼ1ヶ月でカラになります。2〜3階を暖めるために温度設定目盛りを「4」に設定するテもありますが、おそらく3週間弱でタンクがカラになるでしょう。灯油のランニングコストは電気やガスより安いので暖房費の上昇はリーゾナブルとしても、給油のインターバルが短くなるのは面倒ですね。灯油タンクの容量はメーカー任せにしてしまいましたが、もっと大きなタンクにすべきでした(タンク自体は数万円程度なのでいざとなったら交換できますが・・)。

 さて、辛口の感想が続いたので、評価すべき点も挙げておきましょう。データをよく見てみますと、1階と2〜3階は確かに温度差がありますが、2階と3階(ついでにインナーサーキットまで!)はほとんど温度差がなく、基本的に温水パネルのみで家全体がそれなりに暖まっています。2階寝室は室温が低いとはいっても15℃以上はキープしており、以前住んでいた一戸建の借家(寝室10℃以下)と比較するとソーラーサーキットの性能は大いに評価できます。


湿度についての考察:

 ソーラーサーキットに限らず、冬場の高気密・高断熱住宅は湿度低下が顕著と言われていますが、実際に湿度データを見ると、1階リビングは何もしないと30%程度で安定(?)しています。湿度が低いと結露しづらくなるので家のためには歓迎すべきなのですが、カミさん共々カゼにかかりやすくなったり、ノドの調子が悪くなったりするのでついに加湿器を投入。現在、11畳用の加湿器で無理やり家全体を加湿しているわけですが、データ的には1〜3階まで5%〜10%の加湿効果を確認。加湿器を投入してからはカミさんは(特に目覚めた時の)ノドの調子が良いと言っております。データ的には快適湿度55%にはほど遠いのですが、例え数%の違いでも人間の体は意外に敏感なようです ^^;。また懸念していた結露ですが、この程度の湿度では結露は起きないようでとりあえず一安心。

 ところで不思議なのは、1〜3階は温度差があるのに湿度差はあまりみられないこと。また逆にインナーサーキット(2階根太付近設置)も加湿器の影響を受けていないところがなかなか興味深いですね。



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