FMR−CARD

(1992年 8月購入)
(Last update 98/07/15)

 ジャスト A4 サイズながら薄さ 24mm重さ 900g を実現した驚異のマシン。現在でこそ薄型サブノートがもてはやされているが、実は 6年も前にこんな凄いマシンが発売されていたのだ。単3電池×2で動作する点もポイントが高い。今でこそ 3V 動作チップは豊富にあるが、当時は 5V 動作品しかなく、開発には相当苦労したらしい。低電圧動作に先鞭をつけたマシンであり、筺体には新素材を使うなどあらゆる所に意気込みを感じる。

 このマシンの最大の特徴は何と言っても薄さで、発売から 5年間この薄さを破るマシンは発売されなかった(97年に三菱の Pedion がようやくこの薄さを破った)。持ち運びには薄さが重要であることを如実に示してくれたマシンであった。しかし薄さを重視するあまり、キーストロークが浅くて打ちづらい。キーピッチは申し分ないだけに非常に残念である。なお当時の富士通のマシンはほとんどがオアシス配列キーボードのみだったが、このマシンでは JIS 配列モデルも用意された(私はアンチ親指シフト派なので、当然 JIS キーモデルを購入)。

 OS は MS-DOS ver 3 を ROM で持ち、ストレージデバイスは JEIDA 4.0 準拠の SRAM カードのみ。ただし富士通標準の FEP である OAK とその辞書も ROM で持っているので、思ったほどストレージデバイスは食わない・・・・・筈だったが私はアンチ OAK 派なので、2MB の SRAM カードを2枚入れて ATOK を使っていた(^^;。ちなみにオプションにはオアシスや Lotus 1-2-3 が入った ROM カードなんてのもあった。

 CPU は 80286 相当の省電力版。クロックは 8MHz だが節電モードでは 4MHz にまでクロックダウンする。漢字 VRAM (もはや死語(^^;)を搭載しているので節電モードでも画面スクロールは思ったより軽快だ。また液晶にはバックライト不要の反射型液晶を採用しており、省電力に一役買っている。また背面には標準シリアルコネクタが付いているので、モデムを直接つなげる点も評価できる。実際、このマシンと 2400bps のポケットモデムを持って旅先アクセスをしていた時期もあった。

 このように FMR-CARD は素晴らしいマシンではあったが、まだモービルコンピューティングという概念が一般に浸透していなかったこと、所栓はマイナーな FM シリーズであったことから、いつの間にか忘れ去られてしまった。発売後数年経っても未だ根強い人気を持つ ThinkPad 220 とは好対照である。

 総じてこのマシンは早すぎた名機だったと思う。その後多少厚みが増した HD 搭載モデルが発売されたが、結局は FM-R シリーズだったのが災いし、個人向けにはほとんど売れなかったようだ。


おまけ (InterTop)

 オアシスポケット後継機とされる「InterTop」がとうとう正式発表された。DOS ベースで動くこのマシンのコンセプトは、オアシスポケットの後継機というよりはむしろ上記の FMR-CARD の後継機というべきだろう。サイズは FMR-CARD より小さくなってジャストA5サイズに、画面には DSTN カラー液晶にビデオ用の汎用リチュウムイオン電池PalmTop-110チャンドラと同じもの、ただし電池は SONY 系のもの)を採用、重さは 700g 強にまで切り詰められ、驚いたことに液晶画面はタッチパネルにもなるという変貌ぶり。ストレージにはスマートピコフラッシュPalmTop 110 でも採用された小型のフラッシュメモリカード)が採用され、ユーザーによる環境のカスタマイズが可能だ。ここらへんは FMR-CARD の「カード運用コンセプト」に通じるものがあり興味深い。また FMR-CARD のように親指シフトと JIS キーボードが選べる上、カラーリングも3種類から選べる。

 ソフトは Web ブラウザやワープロ、PIM 関係がテンコ盛りで、しかも定価 128,000円となかなかの戦略価格。富士通のマシンは個人的に嫌いなのだが(Biblo-NC のようにモービルを名乗りながら電池交換が出来ないタコ仕様のマシンを作ったりするし(^^;)、このマシンに限っては食指が動く。ただチャンドラを買ったのでもうお金が無いのだった(^^;

 なお、97年11月には内蔵フラッシュメモリの増加、液晶の改良、ターボモードの追加、等の改良を施した InterTop Model 20 が発売されている。