(1997年 1月購入)
(Last update 98/08/08)
これが知る人ぞ知る噂のマシン、開発コード名チャンドラ。開発元は日本
IBM とリコーの共同出資会社、(株)ライオスシステム。実は
ThinkPad 220、230 や PalmTop
110 を開発した会社でもある。
本当なら IBM の ThinkPad シリーズとなる筈だったが「売れ筋の ThinkPad
535 と競合する」との上層部の判断から ThinkPad になれなかった悲運のマシン。ところがどっこい、我々モービル・コンピューティング廃人がそんな不埒を許すわけが無い(^^;
ニフティサーブでは個人向け発売未定の段階で早々と専用会議室が開設されるという異例の展開となり、ついに(株)日本オフィス・システムの協力で限定
300 台が個人向けに販売された。この 300 台はたったの 50 時間で完売御礼。悲運のマシンは一転して最もホットなマシンとなった。(ここに写っているのがまさに記念すべき最初の300台のうちの1台である。)
このチャンドラ、何故それほどまでにモービル・コンピューティング廃人の心を掴んだのだろうか? その秘密はカタログに現れない使い易さにある。例えばバッテリにはハンディビデオ用のリチウムイオン電池が2本使われているが、このバッテリは非常に軽く(約
90 g)、予備バッテリを複数持ち歩いても負担にならない。しかも日本全国の一般電器店で簡単に、しかも安価に(およそ
\6,000)手に入り、ビデオ用充電器が使える恩恵も計り知れない。また本体が電源
OFF の状態ですら充電可能である点も評価が高い。そして何より B5 サイズで重さ
1.2Kg! まさにモービルコンピューティングの基礎を築いた ThinkPad 220
を髣髴とさせるスペックとくればモービル廃人が放っておく訳が無い。私もニフティで情報を一目見た瞬間に購入を決意した。(チャンドラの詳しいスペックはここ)
ちなみにカタログスペックでは同時期に発売され、同じ Pentium 100MHz を積んだ富士通の初代
Biblo NC が最も近い。しかしビブロは稼動時間が1時間程度のくせに電池交換ができない(!)というお粗末な仕様で、モービル廃人から総スカンを食らってしまったのは言うまでもない(^^;
このチャンドラはリリース当初からマニアの間で事実上の ThinkPad 220 の後継機とされた。ThinkPad
220 とほぼ同じ重さと大きさで、電源に汎用電池を使っているのがその証である。そして何より決定的なのは、ライオスシステム自身が
ThinkPad 220 を開発したという事実(したがって ThinkPad 220、230、PalmTop
110、チャンドラの4機種はマニアの間では「ライオス4兄弟」とも呼ばれる(^^;)。そして
98年 3月にリリースされたチャンドラ2が 98年
7月に ThinkPad
235 として発売されるに至り、チャンドラこそが
ThinkPad 220 の直系後継機として確定する事となった。
最終的に鈴木製作所、フロンティア神代、キャラベルデータシステム、エプソンダイレクト、日立から発売された。スペックもクロック
120MHz、HDD 810M、メモリ 40MB あたりが中心となり、発売当初のウィークポイントも克服されたといって良いだろう。数量的にも豊富に出回り、一時は「幻のサブノート」だったチャンドラも、ようやく市民権を得た感がある。最初の300台を買った私としては嬉しい限りである(^^)。現在ではよりパワーアップしたチャンドラ2がリリースされたため、市場からは徐々に姿を消しつつある様だ。
ニフティサーブ FPCUM MES15 「コードネームはチャンドラ」が専用会議室となっている。名うてのパワーユーザーが集まっており、メモリや各種
PC カードの動作報告、HD 換装や電源ネタ等参考になる書き込みが満載だ。購入や使用感に興味がある人は覗いてみるといいだろう。
ソフトバンク社の「Mobile
PC」誌 97年10月号がお薦め。以下に書いてある改造のほとんどが写真付きで解説されており、非常に資料性が高い。改造をするなら何が何でも手に入れよう。
チャンドラのキーボードは日本語 106 キーがデフォルトである。しかし US
101 キー愛好家(実は私も英語 101 キー派である)からは英語キー版の要望も高い。一部の発売元では有償交換等を検討しているようだが、BIOS
交換が必要と噂もあり、まだ実現していないようだ。
なお、先日 DOS/V マガジン通算100号記念として企画された1000台限定チャンドラは英語
101 キー仕様だそうだ。もうチョット安ければ私も購入したんだが(^^;
チャンドラの弱点の一つに、各種コネクタカバーが外れやすい、電池カバーが華奢、という問題がある。これらのパーツをうっかり無くしたり壊したりしてしまった人は、鈴木製作所からリーゾナブルな値段で購入可能だ(他社でチャンドラを購入した場合でも可)。他にACアダプタも扱っている。
チャンドラには標準で 8MB のメモリが搭載されているが、これでは Windows
95 を快適に動かすことはできない。そこで安価に手に入るサードパーティ製のメモリを増設してみよう。
使用できるのは 3.3V 系 144pin DIMM で EDO メモリ搭載のもの。一般には
ThinkPad 535、560 用のものが使えると言われているが、上記のチャンドラ専用会議室には
I/O DATA の SDIM 646T は不可との複数の報告が上がっている。ちゃんと動作している人もいるようだが、念のため避けておいた方が無難かもしれない。今のところ一番動作報告例が多いのがメルコの
VD8-32MG、VD8-T32MG。うちではADO の ADO-32MTP560P を使っている。ちなみに
DIMM に搭載されているメモリは、16M bit チップでも 64M bit チップでも電池での稼動時間には差が出ない。安価に入手できる方を購入すれば良いだろう。
また秋葉原のモービル系ショップで 64MB DIMM の販売も開始された。初期の
BIOS ではどれだけメモリを積んでも 64MB までしか認識しないが、これは BIOS
のリビジョンアップで解決できる。既に一部のメーカーでは BIOS アップデートサービスを行っているが、(株)ライオスシステムのサイトから最新
BIOS をダウンすることもできる(後述)。
チャンドラ本体には 1MB のビデオメモリが標準で搭載されている。一部のマニアの間ではこれを倍の
2MB に増設してしまおう、という試みが行われた様だ。詳細は DOS/V マガジン
97/9/1 号に譲るが、秋葉原の一部の改造ショップでも増設を受け付けるという。ただし断っておくが増設のメリットが生きてくるのは、外部に
CRT をつないで高解像度表示させた場合に限られる。一部では余っている VRAM
領域をテンポラリに割り振って高速化する行儀の悪いソフトもあるようだが、あくまで少数派。モービル運用がメインなら増設の必要は無いだろう。
チャンドラの標準内蔵ハードディスクは 8.4mm 厚のものだが、IBM の 9.5mm厚
1.6GB (DDLA-21620) へ換装することも可能だ。(当然、換装を行うとメーカー保証は効かなくなる。あくまで自己責任で換装すること。)
まず換装をする前に、 DOS/V マガジン 1997 4/1 号か Mobile PC 1997 10 月号(上写真)を入手しよう。チャンドラには
TCP パッケージのペンティアムが実装されているが、この CPU の足は極めて細く、しかもむき出しでマザーボードに実装されているので、予備知識無しで分解するのは非常に危険だ。繰り返すが、これは脅しではない。下手に余計なネジを外したり無理矢理マザーボードを取り出そうとすると最悪の場合
CPU の足を曲げてしまい、動作不能に陥る可能性が非常に高い(実際、それで壊した人も実在する)。DOS/V
マガジンには写真つきで分解の手順が解説されており、自分でチャンドラを分解するなら必須の資料である。(TCP
ペンティアムの実物を見れば、予備調査をしておいて良かったと思うだろう。)
実際に分解をしてみると、キーボード外しとマザーボード外しが面倒だったが、うまくマザーボードさえ取り出せれば
HD の交換は簡単。不安なら DOS/V マガジン 1997 4/15 号に写真入りの解説が有るので見ておこう。なお
9.5mm 厚の 1.6G HD を使用した場合、オリジナルの 500MB HD に付いていた放熱用(?)アルミカバーはネジ穴位置の違いから取り付けられない。また
9.5mm 厚の HD を取り付けた場合、その厚みで右手前のネジが1本しまりにくくなる場合が有る(個体差があるらしい)。無理にネジを締めると基板が若干歪むようなので、そのような場合はネジを締めない方が良いかもしれない。また
FDD やイヤフォンコネクタ部が 0.5mm 程度上方向に持ち上がるが、最終的にはちゃんともと通りに組み上げられるので実用上の問題はない。BIOS
も HD パラメータを自動取得するし、 IBM 製 1.6G は非常に静かで、消費電力も大差無い。若干発熱が増えるが換装用にはお薦めだ。
もはやマニアの間では改造の定番となりつつあるクロックアップだが、チャンドラでも多少の知識があれば簡単に実現できる(もちろんマザーボードを取り出す必要はある。その場合の注意点は前述の「ハードディスク換装」の項を参照のこと)。具体的な改造ポイントは
DOS/V マガジン 97 5/15 号、Mobile PC 97 10 月号(上写真)に写真付きで掲載されているが、要はランドを1箇所ショートさせるだけという簡単なものだ。
チャンドラのクロックアップにおける最大の課題は熱対策で、133MHz
では何らかの放熱対策をした方が良いようだ。余談だがチャンドラの裏ぶたには排熱ファン用の穴が有るが、残念ながらファン制御用の回路はマザーボード上には無いとのこと。上記会議室でも放熱に関してはまだ試行錯誤の段階だ。私見ではクロックアップして発熱させたり電池稼動時間を減らすよりはノーマルの
100MHz で使った方がいいと思うのだが・・・
既に一部のメーカーブランド・チャンドラで行われていた BIOS のアップデートだが、開発元の(株)ライオスシステムのサイトにも最新の
BIOS が登録されている (なお、個人で BIOS をアップデートすると、その時点で購入メーカーのサポートは効かなくなる。あくまで自己責任で行うこと!)。BIOS
の改変履歴をみると、メモリ上限の増加、 CPU 速度判定、バグ潰しなど初期のバージョンよりかなりの改修が入っているようだ。なお、BIOS
のバージョンアップに際しては FDD が必要なので要注意。
また同サイトにはいくつか技術資料も収録されており、特にカードバス側の特殊な
IRQ の仕様などは一見の価値がある。是非一度のぞいてみることをお薦めする。現在の登録ファイルは、最新
BIOS 、ビデオドライバ、3 mode FDD ドライバ、各種技術資料、 Win95
用カードドライバ(Card Works) 、サウンドドライバといずれもチャンドラユーザーには有益なものばかりだ。OEM
マシンにもちゃんとしたサポートを行った(株)ライオスシステムには拍手を送りたい。
チャンドラのポインティングデバイスは ThinkPad シリーズでお馴染みの Track
Point III であるが、ThinkPad では赤色のキャップが、チャンドラでは差別化のためか(?)何故か黄色である。ところがこの黄色いキャップは汚れが極めて目立つ(^^;
気になる場合は秋葉原の T-ZONE 等で売られている
ThinkPad 用赤色キャップ(\500 程度)に交換すると良い。ただしキャップの高さが
ThinkPad とは違うので、キャップの高さを半分ぐらいに切ってから交換しよう。
モービル運用ではマシンを保護するケースは必須。古くは
ThinkPad 220 用の通称「のり巻きケース」が有名だが、ここに写っているのはモービル派には有名な代官山の革製品ショップ、オーソドキシーのチャンドラ専用本革ケース。装着したままマシンやPCカード使えるスグレモノで、ネット上での共同購入で
\29,000 で入手した。若干割高に感じるかもしれないが、実際に手に取ってみると納得する仕上がりだ。オーソドキシー(03-3780-5876)では各種要望にも応えてくれるとのことなので、購入したい人は相談してみると良い。
革製品は、使い込むほど良さが解るとのことなので、これから末永く使わねばなるまい(^^; (ちなみに購入時の私のオーダー番号は3番!)
(株)
NOS さんから送られてきた巾着タイプのケース。ちゃんと「NP-10N」の刻印も有る専用品。チャンドラ納入後、別途「購入御礼」として送られてきたもので、その心配りがとても嬉しかった(^^)
オーソドキシーの革ケースに水は禁物なので、この巾着ケースと組み合わせれば鬼に金棒。