こんな症状、こんな病気
人の体は病気になると様々な信号を発し、危険を知らせてくれます。この信号を一般的には症状といいますが、頭痛という症状一つを例にとっても実に多くの病気が考えられます。ここでは、日常、割合と多く見られる症状を中心にして病気を見ていきたいと思います。

  
  目次 発熱



Case 1 「発熱」 (fever)   (2000.10.17up)
  体温は脳の視床下部というところにある体温中枢において設定され、体はその設定にもとずいて筋肉を収縮させたり、末梢の血管を拡張、または収縮させることにより体温を調節しています。体温が正常を超えて上昇した場合を一般に発熱といいますが、「発熱」と「高体温」は異なるものなので注意が必要です。

☆「発熱」とは・・・
 高熱が出る前、体全体に寒気が走り、ふるえが止まらないなんてことを経験したことはないでしょうか?この現象は体温中枢の体温設定値が高温に設定され、その設定にあわせて体が筋肉を収縮させ熱を作り出そうとした結果、生じたものなのです。
 人の体は、細菌やウイルスなどの進入により、体の中で発熱物質がつくられ体温設定が上昇する仕組みになっています。この現象は人体の優れた防衛反応のひとつで、発熱によって細菌やウイルスの働きは抑えられ、体の防衛軍であるリンパ球の活性が高まったり、リンパ球が増殖しやすくなります。
 この為、発熱の場合は、安易に熱を下げると治るのが遅れたりする原因にもなりえます。発熱は、むしろ体の防御反応と認識することが良いでしょう。自然治癒力にて軽いものなら様子を見ているうちに治ることも少なくありません。(40度以上の発熱は命にかかわるケースがあります。至急、医師の診察を受けましょう。)
 しかし、発熱の原因が細菌などの感染によることが多いことから、原因に対する治療は医師の診察が必要です。また、脱水を予防するためには十分な水分とミネラルを補給する必要があります。

☆「高体温」とは・・・
 
発熱が体温中枢の設定が変わることにより引き起こされたものに対して、高体温では、中枢の設定は正常にもかかわらず、体温が上昇している状態をいいます。夏場に起き易い「熱中症」「熱射病」などがこれに当てはまります。このような病気の場合に解熱剤を使用してしまうと、かえって熱産生を促進してしまい危険です。
 対処としては、まず体を冷やすことが重要です。でも、決して、急に体に冷水をかけないようにしましょう。血管が収縮して熱の放散が妨げられてしまいます。まずは高体温の原因から避難し、風通しのいい涼しいところに移して、わきの下、足の付け根を氷枕などで冷やします。そして早急に診察を受けましょう。

幼児の発熱
 
大人と違い症状を正確に訴えることが出来ないため注意深い観察が必要です。
一例をあげると・・・・
・泣き続ける              ・耳、喉の痛みがある
・首を曲げると痛がる          ・お腹をとても痛がる    
・呼吸が苦しそう            ・おしっこをする時痛がる
・びっこを引く、使わないでいる手、足がある
・大量の涎を流している
・生後、三ヶ月が経過していないのに発熱している。(母体から移行した免疫があるのに発熱するということは、重大な原因が潜んでいる可能性があります)
などの症状があるとすれば専門医の診察が必要だと思われます。

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