前略、すっかり押し詰まりましたが年越しのお仕度は万全でしょうか。当方は、相も変わらない泥縄式で、なかなか片付きません。この頃では「それでも正月は来る」、とやや開き直っています。とりあえずは大掃除らしき事を今日までに済ますつもりでしたが、結局は「目に見えるところだけ」の掃除に終わりそうです。
だいたい、私からしてこうやってPCのキーをパコパコやっていて、ちーっとも掃除に参加していませんから大きな事は言えません。(小さな事も言えません)
本来ですと今年最後の手紙ですから、今年の重大ニュース、かなんかを書きたいところですが、それほど大層な事も無かったような気がするし、考えるといろいろあったような気がするし、まとまりがつきそうもありません。ここは過去を振り返ることなく(面倒だから)前向きに、「来年の抱負」なり「将来の展望」を述べてみたいと思います。
来年で僕も半世紀を生きたことになるのですが、小学生時代の僕は、自分がこんなおっさんになるとは思っていなかったので、ひたすら戸惑っている今日この頃です。計算上は充分予測された21世紀までの生存さえ、その当時は考えてもいませんでした。考えてみれば先見の暗があったのでしょう。
そうは言ってももうすぐ西暦2002年はやってきて、僕はますますおじさん度を増加させ、「じ」と「さ」の間に「い」が入る日がいやでもやって来るのかなぁ、などと複雑な心境ではあります。などと駄弁を弄さずに来年の抱負を語らなければなりませんね。
いきなり脱力で申し訳ありませんが、正直この歳になるといちいち「来年の抱負」何てやっていられないのが本音です。ましてや、「将来の展望」なんてものはなあーんにも有りません。ただ生活のために働き、労働によって生じる心身の疲労を趣味などで解消しながらその日、その時を過ごしていくのかな、という所が正直な気持ちですね。
それではあまりにも寂しい人生じゃないか、とお思いの方もおいでになるかもしれませんが、最近の世論調査で、僕と同じように「生活のために働く」と考えている人がこの十年で全体の3割から5割に増加している、というデータがあります。その分、仕事が生きがいとか、仕事が楽しいとか答えている人が減少しているわけです。
これは僕の個人的感想ですが、この傾向は大企業が従来の年功序列、終身雇用制を捨てて、成果主義、雇用調整容認体制に転換してから始まったように思います。もちろんこれは日本経済のおかれた現状を考えるとき、世界標準としての雇用制度を導入してしまえば経営者としてどこからも文句が出ないもんね、と安易に考えた無能な経営者が責任を負うべき問題だと思います。
また、同じく実態にそぐわない財務運営を続けてきた政府、政治家、官僚の失政にほかなりません。世界標準から乖離した金融業界、流通業界、などもその経営責任は問われるべきでしょう。
と、愚痴ばかり言っていても仕方がありませんが、この辺がこの頃どうも納得出来ないところです。
これから先の展望が無いのは、今まで述べたように自分の周りの情勢が非常に流動的になってきているせいだ、と言ってしまえばお仕舞いですが、それでも敢えて「来年の抱負」を語らせていただくと、キーワードは「ユニーク」といったところです。仕事でも、遊びでも、僕の個性を発揮して、1年遅れましたが21世紀のスタートを切りたい、そう思っています。
特に仕事の方は現状維持ではなく、ここ数年の間手がけた新技術を新しい切り口で、世界の競争に負けない製品に作り上げて市場に送り出したいと、密かに胸に期すものがあります。そして、楽しく仕事をして、楽しくプライベートを過ごす、そんな1年になるようにバランス感覚を大切にしながら日々を送っていく所存です。(んー、鬼が笑うかな?)
2001年12月29日 アンクル・ハーリー亭主人