前略、20世紀の終わり頃から若い人たちのファッションが妙に見覚えがあるな、と思っていたら、僕たちが若かった頃のファッションが一部復活しているそうですね。そう言われてみると、僕たちが若かった頃に昭和初期のファッションが流行したり、歴史は繰り返すと言うのか、ファッションの流れも歴史の波に乗っていると言う事でしょうか。
とはいえ、やはり今の若者のほうが着こなしが良いと思えるのはそれだけ体形が良くなってファッションについてきたとでも言うのか、面白いと思うし、羨ましいなと思います。僕などは、羽織袴が一番似合う体形で、噺家か関取にでもなったら苦労が無かったでしょう。
音楽でも、CMや連続ドラマの主題歌などに、かつてヒットした曲が使われ、再ヒットしているようですね。アバやカーペンターズなどの曲が町に流れているのを聞くのは、僕のような古い人間でも嬉しいものです。何といっても自分も唄える、というところが良い。
この頃は、むかしヒットしたアナログレコードの音源をCDに再カットしたアルバムを店頭でもずいぶん見るようになりました。1年前には、わざわざアナログ盤の音をWAVE形式でパソコンにとり込み、MP3に変換する、という手間をかけていましたが、今は、CDを買って手間を省いてしまいます。
以前はカセットテープに自分のお好みの曲ばかりをダビングして、ドライブ中などに聞いたものですが、今はパソコンを使って自分だけのCDを作って聞く、という楽しみにはまってしまいました。
また、カーオーディオもMP3対応の機器が出回り始めたので、MP3ファイルのままのCD―ROMを作って、10時間分くらいの曲が1枚のCDで聞けるようです。今度買う車には、ぜひともMP3など、ディジタル圧縮音楽対応のカーオーディオを付けたいと思います。でも、10時間分も曲を聞けても、いったいどこまでドライブすればいいのだろう。
ビートルズの全曲入りのCDがあるけれど、そのCDもそうやって圧縮すればいったい何枚のCD−ROMに入るのかな。
と、考えてレコードがしまってある納戸の中を眺めてみましたが、そう言えばもう一つ僕の趣味で場所をとっているのが本である事を思い出しました。本の方は、レコードの何十倍もあるのですけれど、今のところ圧縮するわけにも行かず、パソコンに取り込む良い手段も無い状態ですね。まあ、何でもとって置かないでBOOKOFFなどを利用するのもひとつの手段かな、とも思って見たりします。
若い頃は本をよく読み返したりしましたが、この頃は読み捨て、と言うと言葉が悪いですが、あまり再読したい本が無くなってきました。出版量はどんどん増えているような気がしますが、書店の棚を見てみると昔の再刊行本がとても多くなったような気がします。こう感じるのは僕だけでしょうか。
始めに書いたファッションや音楽のように、昔にヒットした本がまた読まれているのかも知れませんね。決して悪い事とは言いませんが、買っているのは年配の方ばかりのような気がしてしまいます。この辺が、音楽やファッションと決定的に違って、もう一つ昔の本が再刊されても手放しで喜べないところなんですよね。
2001年8月11日 アンクル・ハーリー亭主人