前略、6月4日の朝は「との」に驚かされました。早朝の涼しいうちに宿題をやっておこうとパソコンデスクの前でキーを叩いていた時、「との」が普段に似ないすばやさで庭に飛び出していったかと思うと、花壇の中から何かを口に咥えて戻ってきたのです。

 「との」は私と目が合って、一瞬躊躇しましたが、部屋の隅に行って、咥えていた物を床に降ろしました。私がそれを見たところ、どうも鳥のようです。動かないところを見ると、かみ殺してしまったか、と思う間もなく鳥ははばたいて飛ぼうとしました。どうも死んだふりをしたのか、ショックで気絶していたのか、とにかくまだ生きているようです。

 「との」は飛び立とうとした鳥を前足で押さえつけて、また鳥が動かなくなりました。猫のしつけで、こんな時は叱っても、誉めてもいけない、無関心をよそおえば猫は遊びあきてしまう。と聞いていた私は、横目で見ながらパソコンを操作しているふりをしていました。やがて「との」は飽きたのか、見てもらいたかったのか、私の足に体を摺り付けてきました。

 ここはチャンスと思い、「との」に見えない様に鳥を拾い上げると、「との」を散歩に誘ってみました。彼は、鳥の事は忘れたように玄関に走っていってドアの前で待っています。私は鳥を掌の中に軽くにぎり、ドアを開けました。「との」はいつもの通り、門扉の下に座ってあたりを見ています。私は、そっと鳥の様子を見ると特に怪我も無いようです。私は「との」に見えない方向に鳥を乗せた手を広げると、飛び去って行きました。

 あとで、図鑑をみたら、きつつき科のこげらという鳥の様でした。その後、おとぎばなしでよくある恩返しには来ないようです。世知辛い世の中になったもんだ。もっとも、私も加害者側の人間ではあるからな。

 庭のゆすら梅の実が今年は豊作であります。金曜から次女が収穫しているけれど、日曜まで毎日採ってもまだ実が残っています。よく熟した実は次女がしっかり選別してそのまま生で食べ、多少固めの実は砂糖漬けと焼酎漬けにしました。それでもまだたくさん有るので、隣の家に貰っていただきました。いつも「との」が庭で遊ばせてもらっているし、花などをいつも分けていただいているお宅ですから。よく熟した実はさくらんぼのような風味と甘さがあり、見た目を裏切らない美味です。

 次女の中間テストが終わり、成績が悪かった科目以外はいい成績だったようです。(あたり前か)5番以内に入ったら何か買ってくれる?と、今まででは最高の順位を宣言したので、よほど自身があるか、やけになったかのどちらかでしょう。この頃ジャイアンツの仁志選手のファンになり、テレビの前でチアリーダーよろしくポンポンを振って応援しています。ジャイアンツが負けた翌朝などは、テレビの前に置き去りにされたポンポンから哀愁の雰囲気が漂ってきます。

 長女はもうすぐ試験だそうですが、科目によって全然実施日が違うさみだれ方式なので、今一つ盛り上がりに欠けているようです。先日、実技で歯を彫刻したのですが、なかなかの出来でした。さすがに親に似て芸術的センスは隠せないものだと思いました。ダハハハハ。

 金曜に舟和の出店が丸井に出ていたので芋羊羹とあんこ玉をおみやげに買って帰りました。紫のあんこを食べたらいちご味でした。いつから変わったんだろ。

   2000年6月6日     アンクル・ハーリー亭主人

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2000.6.6掲載