前略、この度新たな病気、「甲状腺ホルモンの分泌不全」=「甲状腺機能低下症」になりました。自分の体が病気のデパートになった様です。

 甲状腺ホルモンとは何か、そこんとこをじっくり考察致します。閑な人は是非読んでいってね。是非自分もなってみたい、と思う人、原因不明なので教えられません。

 甲状腺は喉仏の下に左右対称にある甲羅のような形状の組織です。もっとも僕も見たことは無いけど。甲状腺ホルモンの働きは、おもに以下の二つであります。

1.エネルギー代謝をコントロール (結構重要な仕事ですわな。)

2.中枢神経の働き促進 (と、言う事は、今の僕の中枢神経は働いていないっと。おいおい、本当かよ。大丈夫かな)

 甲状腺で作られるホルモンは2つありまして、ひとつはサイロキシン、ヨード原子を4つ持っているので、T4と呼ばれています。もうひとつはトリヨードサイロニンで、ヨード原子を3つ持っているので、T3と呼ばれています。(だからヨードを摂らなくちゃ駄目なんだ。)

 これらサイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)は甲状腺細胞の中で作られるのですが、そこんとこを詳しく述べると3日ほどかかるので省略します。

 簡単に言うと、甲状腺細胞は血流の中からヨードを取りこみ、細胞内でいろいろとごちゃごちゃっとした化学的なステップを経て他の物質とともに合成され、作成されたT3T4は甲状腺の濾胞細胞の中に貯蔵されています。貯蔵されたT3T4は脳下垂体から出る甲状腺刺激ホルモン(TSH)の働きにより、分泌されるわけですが、血液中のT3 T4が低下すると、脳下垂体ではそれを感知して、TSHを分泌するようになるらしいけんど。

 甲状腺ホルモンは体のエネルギー源、ATP(高校の生物教科書参照)を産出するミトコンドリアの膜に結合して基礎代謝を上げる作用を及ぼすわけで、その作用で重要なものは酸素消費を増加させる、タンパク質・糖質・脂質の代謝を促進させる、ビタミンの消費を増やす、心臓から出る血液の量を増やす、神経を興奮させる、成長を促進させる、など結構重要じゃんと思います。

 そんな訳で甲状腺ホルモンが無いと、ATPはエネルギーを出せないので、運動できない、筋肉が痙攣する、疲れ易い、などなどいろんな症状が出てきます。全く甲状腺ホルモンが出ないと、細胞が死んでしまうのでその前に治療した方が良いと僕は思います。(当たり前だな)特に脳細胞も働かなくなるので、ボケる前に治療しましょう。

 僕の場合、急に体重が増えた、筋肉が攣った、顔がむくんだ、などなどがあって、主治医が血液検査をしたところ、血中にT3T4共に通常の1/10しかなく、TSHが通常の100倍という典型的な甲状腺ホルモン低下状態でありました。僕のように元々太っているとその辺がわかりにくいので要注意ですね。

 治療は要するにT3T4を補給すれば良いのだから、そのための薬があります。但し薬の量をどのくらいにしたら良いのかを決めるまでが長くて、単純に言うとモルモットと同じで薬をのみ、1、2週間後に血液検査してT3T4の量を確認するという作業のくり返しです。

 病状が正常に戻ったら、薬を減らしてゆき、病状が再発しなければ快癒、再発したら薬を一生飲むことになります。1個10円(平成13年現在)ですから安い方かもしれません。僕は今、1日10円で治療中です。

           2001年4月14日 アンクル・ハーリー亭主人

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2001.4.14掲載