前略、去年はいろいろと有ったけれども有終の美とでも言おうか、久しぶりのライブが上手くいったことは何よりでした。

 それにしても、みんなが音楽にかける情熱は趣味以上のものがあるような気がしました。わずか2ヶ月で(昔やっていた曲とは言え)あれだけまとまるとは失礼ながら思っていませんでした。おそらく、本当に自分のやりたかった曲とは選曲が違っていたでしょうが、それでも、普段から楽器を手に馴染ませてはいたのでしょうか、少しも破綻が無かったね。

 みんなのギターが、エリック・クラプトンやジェフ・ベック、キース・エマーソンといった大物なみに僕の意識を圧倒してしまったのでしょう。(やや誉め過ぎか)僕も、おかげで声が良く伸びて、ファルセットが気持ち良く出てくれました。なにしろ、選んだ曲が意識的にデル・シャノン、ボビー・ビントン、ライチャス・ブラザーズといったファルセットが欠かせないものが多かったからね。

 最後に唄った「花のサンフランシスコ」で、お客の手拍子が聞こえた時は背中に電流が走ったようでした。最後のヴァーズの出をとちってしまったのですが、実は涙が出そうになっていたんです。こんなに真剣な状況になったのは、仕事でも少ない事でした(秘密だぞ)

 ライブをやりたいねと言い始めてから構想10年です。おそらく20世紀最後だ、という気持ちがみんなに有ったんだろうね。今回、多少強引に実行しなければおそらく、1回も実現しなかったと思う。

 アンコールでつい、また来年、と言ってしまったけれど本当のところ少し疲れた、というのも本心です。プロデュースをしてくれたNや、ドラムセットを新調したFには悪いけれど、今度はまた3、4年後くらいが良いな。まあ、ボーカルはNが良いし、今回不参加になったKだって、ビートルズの曲を唄わせたら僕もかなわない。(ちょっと自慢風)

 今年は母校の創立100年のイベントもあるし、それに推薦しようかな。オーケストラも出るそうなので、錦糸町の駅前のホールでやるらしいよ。ただ、プロの歌い手も後輩には何人かいると言うし、我々の出る幕ではないか。だいたい同窓会費を払っているのは今回のメンバーでは僕だけじゃないかな?

 今年は、ちょっと言ったと思うけどブルーグラスに再度取り組もうかと思う。いわゆる不完全燃焼でバンド活動を止めてしまったのが、今となると惜しいと思う。もう少し僕が真面目にやれば続いていたと思うんだ。その辺がかつてのメンバーには申し訳ない気持ちが有るのを否定できない。

 とはいえ、今の僕ではテクも落ちたし、もう1度基本から叩き直して復帰を働き掛けたい気持ちだ。ブルーグラスの新しい流れなども少し吸収して、満足の行くレベルになってから、と思うと、速くても1年はかかるだろう。まあ、おおざっぱだけれど来年の春過ぎにはリハビリを終わらせて、音合わせには入れるかな。

 ピアノの件も有るし、全く自分でも良くやるよ、と思う今日この頃では有る。僕にとっても音楽って、やっぱり趣味の域を越えているような、なんて言うか、たとえは悪いけれど、信仰に近いんじゃないかと、改めて思い知らされています。

  2001年1月20日 アンクル・ハーリー亭主人

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2001.1.20掲載