前略、アメリカ大統領選挙がなんだか大変な状況になっているようですね。ゴアさんの地元のテネシー州もブッシュさんに取られたようです。クリントン現大統領の地元アーカンソー州もブッシュに票が入ったようだし、いわゆる旧南部連盟の州(ブルーグラス関係の州でも有ります)は軒並み共和党の勝利に終わっているようですが、これは今に始まった訳では無いそうですね。フロリダ州がこんなにこじれたのは黒人票のほとんど全てがゴアさんに流れたのに、民主党支持者の一部の票がみどりの党のラルフ・ネーダー氏に流れたのが遠因だそうですが、そのフロリダ州の知事がブッシュさんの実弟だったというのも何か皮肉なもんです。

 信頼出来ないすじからの情報によると、白人警官による黒人の投票妨害が有ったという話しや、2候補に穴を開けた(アメリカの投票は候補者名の横に穴を開けるんですね)無効票がブッシュ、ゴア両候補の票差の10倍以上に当たる16,000票も有ったらしく、選挙のやり直し要求まで出ているそうです。

 アメリカという国は懐が深く、たいへんにフェアである事を重視する国だと思っていましたが、時と場合によるようですね。でも、そんなところにかえって付き合い易そうなイメージが感じられました。とくに、ブッシュさんはテレビ討論でゴアさんにあれだけやられてしまったのに、かえって同情が集まってしまった、などと間抜けで気の良いヤンキーそのものって感じじゃあないですか。

 イメージとしてのゴアさんは、あれだけ悪い方向に目立つクリントンのおかげで、大衆にアピールし難かったきらいが有ります。前回のクリントンの選挙ではゴアさんが結構活躍したように思っていましたが、今回の副大統領候補は全然表に顔が見えませんでした。(報道されなかっただけなのだろうか。)ゴアさんは1993年以来、アメリカの情報スーパーハイウェイ構想を推進してきたたいへんな功労者だと、私などは思っていた訳で、今度の選挙も相手が誰であれ楽勝だと思っていました。少なくともただ全家庭をネットに接続すればIT革命だと思っているどこかの間抜け首相とは実力が違います。

 ただ、ディジタルデバイドという思わぬ伏兵に足元をすくわれ、ふるさと創生1億円などをばらまいたどこかの下品な首相のように、中流階級に一般会計の黒字分を山分けだと言い出したブッシュさんにつけ込まれたようです。また、ブッシュさんのお父さんは8年前にクリントンに負けている訳で、その分息子の方には反省を込めて応援しようという共和党支持者も多いんでしょうな。

 話しが変わりますが、ヒラリーさんがニューヨーク州の上院議員に当選して解かった事。

  ナイアガラの滝はニューヨーク州に有ったのか。

 得票数の差が0.5%以下の時は投票用紙を再確認するという法律まで有ったとは、さすがにアメリカだわいと思わずにはいられませんでした。でも、数え直したら最初の数字とずいぶんと数が違うのはどうしてなんだろう。機械でカウントしても決着がつかない場合は手で数えるらしいが、それの方が誤差が多いと思いますよね。けれども、決まった事には従うという潔さが有るような気もします。

 そういえば、今回のアメリカの選挙で公示期間内に亡くなった候補が上院議員に当選したというのも有りましたな。結局奥さんが後を継ぐのだそうだが落選した候補はそれこそ死んでも死にきれないと思います。(どういう気で死んだ候補に投票したのだろう。)

 というように、いろいろ有ってアメリカの選挙は面白そうですが金がものすごくかかるらしい。ボランティアなどのコストまで計算しているかは知りませんが、風船やポスターなどがものすごく目に付く選挙では有ります。

 ところで、7日の選挙は大統領選挙の選挙人を決めただけで、最終的な投票はまた別に行われるそうだが、フロリダの結果は間に合うのでしょうかね。

  2000年11月11日 アンクル・ハーリー亭主人

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2000.11.11掲載