前略、妻が入院してから、もう半年が経ちました。この頃は、この事態に、やっと前向きに考えられる様になりました。

 特に、入院一ヶ月後くらいから、周囲の人に「痩せた」という指摘をうけ、体重計に乗ってみたところ、なんと10kgも体重が減っている事を知り、前向きになりました。

この体重は、僕が4年前に甲状腺機能低下症を発症したため、10kg体重が増加して以来の快挙です。(元に戻っただけかよ)

 このまま順調に行くと、さらに体重が減少し、ジャニーズ事務所からスカウトされるかもしれません。デビュー→大ヒット→10万人コンサートというスケジュールに備えて、今から東京ドームを押さえておこうか思案中です。しかし、冷静に考えてみると、所沢市民会館の方が無難かもしれません。(あまり冷静とは思えない)

 妻の病気も、治療が良いのか、もともとしぶといのかわかりませんが、快方に向かっています。来月には、退院といううわさが、芸能週刊誌あたりに出そうですが、一切ノーコメントを通しています。取材もありませんが…。

 病院の食事の方も、もったいないと思うのか、自分が作るより美味しいとおもうのか、残さず食べるようになりました。残したいときは、僕に食べさせるのが、困ったところです。たまには、見栄をはって、菜っ葉の切れ端くらいは残してもらいたいところです。

 特に体調が良い日など、僕の勤務先まで電話を掛けてきて、「これからおやつをたべるよ。」だと……、勝手に食べて欲しいものだと思います。どうして、僕より食べて、ベットに寝ていて、僕の半分の体重でいられるのか……、つくづく病気とは恐いものと思います。よく、痩せるために大金を投じる女性がいますが、妻の手記を読んでみろ、と言いたいですね。残念ながら、手記が出来ていないことが唯一の問題点です。

 もっとも、病気になった原因が解りませんから、その点では参考になりそうにありません。その原因がわかれば、ノーベル医学賞も夢ではないでしょう。なにしろ、もう一度病気になれといっても、なれそうもありません。無理にならなくても良いですが。

 とにかく、医療費が3割負担になったとたんに入院したわけで、全く効率が悪いパターンです。日頃、天使の様に見える看護師さんや医師たちが、医療費を払う日だけは悪徳お代官様に見えます。病院と「時価」表示の寿司屋には今後付き合いたくないと思います。

 なにしろ、かんじんの病人を差し押さえられているので、泣く泣く支払いに応じています。一度、病院を営利誘拐及び監禁罪で訴えてみようかと思いますが、警察に病人を救出してもらうと、今後の治療に支障をきたすような気がするので我慢してます。

 こんな、能天気な事を書いていると、僕が全然のんきに暮らしていると思われるかもしれませんが、そんな事はありません。朝食と弁当の仕度、洗濯、猫の世話、妻への差し入れ、買い物、昼寝、する事は非常にたくさんあります。

 これらが滞り無く実行される様に、娘たちを、朝起こす事が1番重要な僕の仕事です。あとは、おおむね娘たちがやっています。ウチの娘を嫁にもらえる男は、大変幸運な男だと言えるでしょう。ただし、自分の食べた食器くらいは自分で洗いなさい、という指導に従わない場合、どうなるかは保証の限りではありません。

         2003年11月1日 アンクル・ハーリー亭主人

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2003.11.1掲載