前略、先日、貴兄がコーチをしたゲーム、拝見しました。もう少し、というところでしたね。勝てない相手ではないと思いましたが、後半はゲームの流れが完全に相手のほうに行ってしまいました。
前半でチームファウルが10以上というのが痛かったですね、前半、あれだけ決まったドライブインが後半はすっかり陰をひそめてしまいました。チームの持ち味であるディフェンスリバウンドからの速攻は、今回も非常に良かっただけに残念でした。
スピードのあるオフェンスでは、もう何も言う事がないゲームが出来るチームなのですが、相手にペースを合わせてスローダウンしてしまうところが、まだゲーム経験の不足なのでしょうか。フォワードの選手が、もっと積極的に直接ゴール下までシュートを入れに行く積極性があっても良いのじゃないでしょうか。ディフェンスに付かれるとパスに行ってしまう場面が多かったようです。
やはり今回も、ガードの選手のボールキープ力が足りないような印象でした。コーチとしては先刻ご承知の事とは思いますが、やはりパスをもらう方が動かないと、ガードプレイヤーだけの個人技ではボールのキープは難しいですね。パス出しのコースを遮断されてしまえば、自分でドライブ攻撃をする以外に選択肢が無くなってしまいます。
上手いフェイクでディフェンスを抜く力はある選手だけに、パスもあるというイメージを相手に持たせる事で、試合をコントロールしてくれそうな期待を持ちました。動ける選手が多いチームに育ってきているので、その辺のご指導をお願いします。
残る課題はリバウンドでしょうか。長身選手がいないチームの常で厳しいところですが、シューターとの呼吸を合わせて、オフェンスリバウンドも4割くらいは取りたいところです。ディフェンスリバウンドは、あれだけセンターを押さえられれば合格点をあげても良いと思います。特に、セカンドエフォートを忘れず、こぼれ球をしっかり取って下さい。
と、ここまでやればNBAとも互角に戦えてしまうので、贅沢は言わないことにしましょう。言わずもがなのことですが、バスケットボールのゲームの勝敗を左右するのは、選手個々の能力よりも、チームとしての有機的ゲームメイキングだと思うのです。相手がどんなチームでも同じように戦って勝てるのは、両チーム間に相当な実力差が有る時に限ります。どこから見ても完璧なチームなどはありえません。相手に合わせたオフェンス、ディフェンスが正しく機能すれば勝てないゲームなどは有りません。その勝てるゲームを見つけるのがコーチとしての力量、という事になるでしょう。
コーチのゲームメイキングの的確さが、選手たちの能力を引き出して試合に生きるのが理想ですね。貴兄のこれまでの選手としての経験、コーチとしての経験はそれを可能にする事間違い無しです。
素人の無責任な提言を申し上げ、かえって失礼だったかもしれません。その点は重々お詫びすると共に、今後のご活躍をこれからもお祈り致します。寒さ厳しき折、選手のコンディション維持にもお気を使われると思います。まだ若い選手たちに必要充分なトレーニングとコーチングをして、次回大会では活躍される事を願っています。
2003年3月15日 アンクル・ハーリー亭主人