前略、はなはだ不確かな話で恐縮ですが、現在の日本における水の需給関係は、完全に需要過多で、不足分は輸入に頼っているのが実態だ、ということをご存知でしょうか。いわゆるミネラルウォーターを輸入しているから、というような単純な話ではなく、輸入食品全般に、それを生産するのに必要な水を全て考慮に入れると、完全に日本は水資源的にも破綻をしている計算になるのだそうです。
このところの大雪は、天が、ちゃんと水を大事に使うようにという警告かもしれませんね。もっとも、その雪もほとんどは下水あるいは雨水として利用されないまま、海に帰っていきます。僅かに山奥に積もった雪だけが『雪ダム』として少しずつ融けて、水源になるようです。その他、伏流水になる雪もありますね。しかし、いずれにしろ年間に必要な水の量(無駄になっている分や、日本で消費される農畜産物に使用された分もたした量)と、日本に降る降水量を比較すれば、完全に降水量不足なんだそうです。
問題点は三つあり、
- 輸入食品の増加と食料自給率の低下。
- 降水量に対する、水資源の利用率の低下。
- ダムの堆積土増加、森林減少等、水資源維持能力の低下。
です。他にも細かな問題は多いようですが、上記の原因は、問題が見えにくいだけに深刻です。さらに、上記の問題点は、いずれも定理として定まった計算方法が無いため、恣意的に数字を操作しやすい、ということです。
日本は、近代化以前から灌漑用や、水運、水害防止用に治水事業を推進してきました。もちろん、建設当時は非常に役に立ち、充分に投資に見合う効果があったと思われます。公共事業というものの重要性は、改めて言うまでもありません。近代化以降も、公共事業が生み出してきた生活の利便性は否定できるものではありません。
特に、戦後の日本では、「水と安全はタダ」と言われ、誰も懸念を持つことはありませんでした。ところが、この頃の日本の治安悪化に足並みを揃えるように、水の問題がクローズアップされています。
治安にしても、水の問題にしても、危険の兆候は30年も前から言われていた事だそうです。ところが例によっての縦割りと、情報非公開を基本とする行政システムによって、市民には何一つ知らされないまま、現状維持、いやさらに悪化の方向に向かっていたのでした。行政改革と、掛け声ばかりは大きかったのですが、行政はその危険な体質をますます拡大しているように見えるのは、僕の勘違いでしょうか。
問題は、水、ばかりではなく、現在の官僚体制なのかもしれませんね。
などと、勝手に書いて、無責任にHPで垂れ流す自分にも、なんだか日本の官僚における責任の取り方に似たものを感じてしまいます。自己撞着と言いますか、これが日本の正体だと開き直ってしまうのか、この頃、わが国のネット社会に少し疑問を感じている自分を発見してしまいました。
あなたは、どう思いますか?
2003年2月22日 アンクル・ハーリー亭主人