えぇお笑いを申し上げます。昔は火事と喧嘩は江戸の花、なんて事を申したそうでございます。火事の方は願い下げにして頂きたいものですが、喧嘩の方も自分でするのは嫌だが、人のを見るのは大好きだ、てんで何とも情けない話ですが…。

 出来ますものなら、喧嘩もカラッとした形が望ましいですな。ジメジメと陰湿なのはいけません、いわゆるイジメということになりましてな。また、カラッとした喧嘩だといって、ピストルでズドン、とか金属バットでボカン、なんてのもあまりみっとも良いものじゃあございません。暴力行為禁止法というより完全に犯罪ですな。

 じゃあ、どうするってんで、やはり喧嘩は素手の殴り合い、それも一対一が理想、まあ理想の喧嘩ってのもございませんが……。

「やいやい、このニワトリ野郎、喧嘩のやり方もしらねぇのか。」

「何を〜。手前のほうこそ素手で喧嘩ができないのか。」

「おぉ、言ってくれるじゃないか。それじゃ、これでどうだ!」(殴る)

「痛い!やりやがったな、そっちがそうなら、こうだ!」(殴る)

というわけで、ウエストサイド物語のランブリングのシーンを落語的にやってみました。

 ミュージカルとオペラの違いが未だにわからないという、おいらがやってもしょうがないん。まあ、日本にも古来よりオペラやミュージカルは有りますね。歌舞伎、なんかはミュージカルです。ただし、役者は自分で唄いませんな。横っちょの方にいる、なんだか年寄りの集団が塩辛声を張り上げて、

「そ〜の〜と〜き、べ〜ん〜け〜い」

なーんて唄っている。なるべく見ないほうが良いです。あっちは。

もっとも舞台の役者も結構歳は行ってますよ、白塗りで誤魔化してるけど。人間国宝なんてのがね、動いてるん。動かなくちゃ芝居になりませんが…。

役者は唄わないん。役者でも松本幸四郎なんて方は自分で唄いたかったんですかね、ミュージカルに出演して、外国公演までやってますな。だれにこうしろうと言われた訳でもないのにご苦労な事です。まあ、息子の不始末をもみ消すのに金が必要だった、なんてことは有りませんな。ありません、たぶん。

能、なんてのはオペラですかね。これも、舞台の後や横に、楽隊と合唱隊がいて、

「あい〜ん」

なんて音を出している中で、ごく小人数の役者がお面をかぶっていごいていますな…。

よっぽど、しどい顔なんですかね、人に見せたくない、と。お面かぶって、そういうわけではないですか、そうですね。

狂言、といって、なんだかジェット機で移動してお金を使う人もいるらしいですが。あっちの方はお面をかぶりませんな。もっとも、お面をかぶっていればダブルブッキングをしても誤魔化せたんでしょうが……、そんな事は無い。

でもね、ダブルブッキングされた方も、怒っちゃいけませんよ。元々、あの人たちは狂言師なんですから……。おあとがよろしいようで。m(__)

         2003年2月15日 アンクル・ハーリー亭主人

戻る

2003.2.15掲載