前略、今は亡き、妻の父がブルーグラスを初めて聞いた時に「要するにアメリカの八木節だで。」と喝破したのは今でも忘れられない思い出です。義父の物事のとらえかたは一見ユニークですが、大変に的を射ていたと申せましょう。
超都会的二枚目の僕が演奏したにもかかわらず、カントリーフレーバーを感じ取った義父の感性も優れたものと言わざるを得ません。(他のメンバーが田舎者だったことは否めませんが)
まあ、どう言おうと所詮ブルーグラス、本場アメリカの一流プロフェッショナルたちのCDジャケットを見てさえ、草の香りが漂っています。ステージは高さ30cm、幅5m、裸電球の照明、一本マイク、などが正しい演奏スタイルです。
64ch録音、ストリングスオーケストラのバック、燕尾服、カーネギーホールなどの対極にあるのがブルーグラスと言えましょう。そういう点、僕のような洗練されたシティボーイにはブルーグラスは似合わないはずなのですが、カーネギーホールでブルーグラスを聞きたいというファンを作ってしまうところが、また僕の伝説的カリスマ性でしょう。
幸い、メンバーに、カーネギーホールと言うよりもマンホール、というような容貌の人間がいるので、さすがのブッシュ大統領も僕を招待する事を諦めたと言われています。メンバーの誰の事を言っているのかは、皆さんで想像して下さい……そうです、そいつで合っています。
オホン、えー個人攻撃は本意で無いので思い当たらない方は流して下さい。
いずれにしろ、僕たちのバンドは○○公会堂などという場所が1番似合うと言えましょう。できれば屋根なども無い方が雰囲気はグッと本場に近づき、歩くたびにマイクが揺れるような舞台が理想ですね。ホットドッグやレモネードの屋台なども設置されているともっと良いとおもいます。
ブルーグラスは、電気で音を増幅する事を拒んでいるジャンルですが、そうかといってマイクぐらいは使いたいものです。それに出来れば照明なども僕を中心に明るいスポットライトが欲しいところです。なにせ、この頃は老眼で、暗いところでは歌詞カードが見にくいんですよね。歌詞を書いたカンペもなるべく大きくしたいところです。
欲を言えば、拍手も欲しいですね、テレビ番組の、いかにもADの振る台本に合わせたやつでなく、熱狂的な拍手。「