前略、毎年200冊を目標に読書をしてきましたが、昨年は3年ぶりに目標値を上回りました。一昨年までは体調が悪かったせいもありますが、あまり読みたいと思う本が無かったことも原因の一つです。ところが昨年は、久しぶりに200冊を越え、226冊を記録しました。これは1996年に254冊を読んで以来の数字です。今のところ今年も引き続き快調で2年連続して200冊は行きそうなペースです。

 この好調さは、いつもの作家以外に、今まで読まず嫌いでいた作品を読むようになったのが原因だと思います。もう一つのこれまでの読書数低下原因は、ここ数年、厚い本が多く出版され、読む段階にまで行かないで、挫折することが多かったのも原因のようです。いざ読もうかと思っても、厚さとディテイルの描写のしつこさについギブアップしたことが多いからかもしれません。特に、いわゆる本格推理小説のジャンルに多かったようです。作家の方も取材で得た情報をいささか無節操に垂れ流しているように思いながら読んだのは僕だけでしょうか。

 読書数が減っていた原因のもう一つは、これまで休日に数冊まとめて本を読む習慣が有ったのですが、休日に出掛けるケースが増えたからかもしれません。週末に1冊も読み切れなくなり、僕にはかつての読書人の面影が有りません。

 それでも、昨年はなぜか毎月数えてみると読んだ本の数が20冊を越えていたようで、不思議な気がします。やはり、体調が少しずつ良くなってきているのでしょうか、集中力が復活してきたようです。面白い本を読んでいる時は周囲の擾乱事象も全く耳に入らない事が多くなり、かつて子供がまだ小さかった頃、頭の上で遊ばせながら(子供達が勝手に昇り降りしていただけですが)読書をしていたのを思い出しました。

 休日に外出する際にも、必ず1冊か、時により2冊の本を持って出るようになりました。以前は乗り物の中では読書が出来ない質でしたが、この頃は、油断すると降りる駅を過ぎても気が付かないほどに集中してしまいます。多少、アルコールが入っていても頭に入るようになっています。内容が軽い本が多いからですね、近頃は。

僕の頭も、この頃はずいぶん軽くなっています。昔からだろ、……という声が聞こえてきそうですが、決してそんな事は否定しません。

 悲しいことに、読書数の統計を取り始めたのは1994年以降のことなので、僕の生涯読書数は推定するより仕方ないのですが、2億冊ということは無いと思います。直近の5年間で合計約1000冊と言うところなので、8~9000冊と言ったところでしょうか。

何年間かを計算しないようにして下さい。歳がバレます。

 ところで、僕は幼い頃から本が好きな子供だったそうで、物心つく前に、兄の本をかじって張り倒されたりしていたそうです。まあ、それは一応読書数にはカウントしていません。初めて読んだ本はおそらく少年向けのSF小説か、あるいはシェークスピアの戯曲です。もちろんうそです。漫画以外の冒険読み物が好きで、ジュール・ベルヌの地底旅行や、十五少年漂流記などが子供心には印象深かったのを思い出します。冒険心とともに、困難に立ち向かう心がこの頃に養われたのでしょう、と本人は勝手に思っています。これはたぶん本当の事です。

 残る人生で、あと何冊本を読めるかはわかりませんが、読書経験をこれからの自分の人生、そして家族、欲張って、社会に還元できればと思います。

         2002年12月28日 アンクル・ハーリー亭主人

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2002.12.28掲載