前略、先日はコンサートに呼んでいただきありがとうございました。呼んでいただいたからには無料だと思っていたら入場料を徴収されてしまいましたが……。お金を払ったからには元を取らねばと、居眠りもせずに全ステージを見る事が出来、ご配慮に感謝いたします。出来れば途中の休憩時間に弁当でもいただけるかと期待しておりましたが、満腹で居眠りするといけないと思われたのか、何もいただけませんでした。

 ステージの感想を簡単に申し上げる前に、あらかじめ申し添えますが、辛口な感想は決して弁当をいただけなかったからではありません。これから日本のブルーグラス界をリードしていただく皆さんですので、言いにくいことをあえて言っております。

 まず申し上げたいのは、ギターが素晴らしかった。これについては誰も異論は無いでしょう。ただ、ギター本体が良い分、演奏に若干の問題が感じられたのが残念です。どうか自分の実力に合ったギターに替えるようにして下さい。

 次にバンジョーです。バンジョーは実力通りの楽器をお使いになっていて、非常に好感が持てました。演奏の方も非常に素朴で退屈でした。たぶん、あと指が3本ほど多ければ文句の無いものになると思われます。

 フラットマンドリンについては、残念ながら申し上げる事はありません。そもそもメンバーにいなかったからです。なお、契約金、年俸等の条件次第で僕が参加しても良いのですが、正直に申し上げて、僕とでは実力差がありすぎ、僕が目立たない可能性があります。ここは辞退申し上げた方がお互いのためでしょう。

 フィドルですが、少し線が細いように思います。また、他のパートがソロを取っている時には明らかに手を抜いていました。往年の僕を見るようで非常に懐かしいと思いました。

 ベースについては、明らかに人選ミスでしょう。少なくとも身長が170cmは欲しいところです。いくらシークレットブーツでカバーしようとしても、見る人が見ればわかるものです。最初に見たときは、吉本の池野めだかが友情出演していると思いました。しかし、背が無くても手が大きければ聞くほうはかまわないのですが、手が小さいため明らかにベースに音程の乱れがありました。せめてネックにマークを貼っておく、などの防衛手段をとるべきでしょう。少なくとも4ビート以上は避けて下さい。

 さて、最後に歌唱についてですが、本気でブルーグラスに挑戦したその根性は高く評価されるでしょう。とは言っても、根性だけで済むほどこの世の中は甘くありません。阪神タイガースやショッカーの怪人がそのよい例です。

 やはりここは初心に戻り、日本の古典芸能などを習得するのが先だと思います。いつもより多く回せるようになったら、改めてブルーグラスに挑戦して下さい。(編集部注;意味不明)

 そういうわけで、皆様には大変厳しい意見を述べさせていただきました。が、これもこれからの日本、いや世界の音楽の潮流を変える可能性を持った皆さんに期待するからで、他に、やっかみ、とか、嫉妬などはほとんど無いかもしれないという事をお伝えして、本稿の筆を置きたいと思います。

         2002年10月12日 アンクル・ハーリー亭主人

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2002.10.12掲載