前略、一般に猫などはかなり気楽に生活しているようですが、我が家の飼い猫「との」君は、これで結構気を使ってくれます。人間なら、時々手を抜くような些細なことも本人?(本猫?)にとっては大事なことなのか、(ただの習慣かもしれませんが)毎日、忘れずに実行しています。

 たとえば朝の監視作業。夜は夜行性とは思えぬ程、早く寝てしまうのですが、その代わり、日の出とともに起き出して、2階の寝室の窓から外の様子を監視しています。

 ある時、僕も早起きして様子を見ていたのですが、新聞配達の人等が通るときは、窓から窓へ移動して、怪しい動きが無いか監視しているようです。そんなときにも、僕たちを起さないように静かに素早く移動していました。なかなか、番猫としての自覚があるようです。

 さらに、近頃は縄張り意識が出てきたのか、自分の領分に他の猫が入っていないかも、窓から監視しているようです。

 そのうちに、誰かが目を覚ますと(たいがいの場合、妻ですが)ささっと自分の食事場所に行って自分の皿にキャットフードを入れてもらうのを待っています。

時々、僕が早く起きたときなどは、、「との」君が一足早く行ってしまってから、やっぱりもう少し寝ていようかな、と寝直したりして「との」君の期待を裏切ってしまうのですが、そんな時はしばらくたってから鳴きながら起こしに来ます。こうなると寝ていられませんね、可愛いものです。

 食事をすると、この頃はすぐに縄張りの見回りに出て行きます。だいたい30分ほど外出したあと、戻ってきてトイレ、さらに食事の残りを済ますという日常です。時々は縄張りを侵犯する猫と喧嘩になることもありますが、ほとんど勝利に終わるようです。

 何度か、にらみ合いをしているのを陰からのぞいてみましたが、「との」君の方は余裕のポーズで相手をにらんでいますが、喧嘩相手のほうは一様に威嚇のポーズをとっています。去年までは、これがほぼ逆で、「との」君の方が明らかに形勢不利という感じでしたが、ずいぶんと成長したようです。

 ただ、喧嘩でキズなどを作って、感染症にでもなると可哀想なので動物病院で予防注射を受けることにしています。そのときの「との」君は喧嘩のときとはずいぶん変わって、情けない鳴き声で助けを呼びます。やはり、人間も猫も注射は苦手のようですね。

 「との」君ももうすぐ5歳、人間で言うと働き盛りの歳になります。我が家の周辺もこの頃はカラスのいたずらで迷惑しているお宅が多いとの事、「との」君に期待が集まっているところです。先日もカラスが庭に下りてきたところを追い払っていましたが、なにぶんにも敵は空を飛べるということで、苦しい戦いを強いられているようです。僕としても何か助力をしたいと思うのですが、僕が出ていくと「との」君の方が遊びモードになってしまってかえってうまく行きません。この辺が悩みの種です。

 いつの日か「との」君がカラス退治に貢献して名誉町猫の表彰を受けるのを楽しみにしているこの頃です。

         2002年6月29日 アンクル・ハーリー亭主人

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2002.6.29掲載