前略、雄大な景観で有名な槍ヶ岳と同じ本州にあるここ横浜には、日本三大急流といわれる川と同じ分子の水が流れる柏尾川があります。
柏尾川といえば、知らない人以外はみんな知っている桜の名所です。この季節は、もちろん桜の花は咲いていませんが、桜の木はそれでも葉を繁らせ、毛虫を育てています。なかなか健気な姿と言わざるを得ません。
元来、桜は毛虫の付きやすい木として有名ですが、桜の葉は決して美味しいものではありません。きっと、毛虫なりの哲学かなんかがあって食べているのかもしれません。僕が桜の葉を食べたくないのは、きっと毛虫と哲学的に相容れないか、桜の葉が嫌いだからでしょう。まれに、桜餅の桜の葉を食べることはありますが、毛虫の気持ちを理解したくなっているか、体質が毛虫に近くなっているときだと思います。
もっとも、その論理でいくと、昆布が好きな人はウニに近く、貝が好きな人はラッコに近いという事になってしまいますがけど……。海水の好きな人はクラゲか。
ただ、いずれにしろ人類は食物繊維を摂取する必要があるので、いろいろな形で葉っぱ類を食べています。
葉っぱの類も、しそ科系統の葉っぱは人間もよく食べるようです。ハーブなどはしそ科以外のハーブを除くと全てしそ科です(さっきやったな)。我が家の広大な庭にも、ハーブ類がまるで雑草のように植えてあり(雑草かもしれませんが)ご飯のおかずが不足した時などは、ちょいと摘んで食べたりします。
しかし、葉っぱの王者といえば、キャベツ、白菜などでしょうか。この種の葉っぱにも虫が付きますが、虫が付くほど美味しいなどと言われたりします。たしかに殺虫剤などを使用していない証明ですから、それなりに安全かもしれません。(食べるときちょっとスリルがありますが)
しかし、虫たちも気を使っているのか、食べるところは一番外側の硬い緑色の部分で、市場に出るべき丸くなるところまでは食べないところが何とも奥ゆかしいところです。こういう場合、奥ゆかしいという表現で良いのか悩ましいところですけど。
それでも、ときどき青虫入りザワークラウトや、芋虫入りキムチなどに出会って、背筋をゾクゾクさせた経験がある方が多いのではないでしょうか。
日本でも、蜂の子とか、いなごなど昆虫を食べる習慣が普通に残ってはいます。僕などは、妻がその地方の出身だと言う事も有り、どちらかと言うと好物に近いのです。(愛、かなぁ)それでも、予期せぬときに漬物の中から虫の頭がのぞくと、だいぶ食欲が減退せざるを得ません。
何にしろ、予想外の出来事に出会うと凡人の僕などはうろたえてしまいます。この文章もどうやって終わらせようかうろたえながら書いています。
ということで、強引に終わっても良いでしょうか。ナハハハ。
2002年6月8日 アンクル・ハーリー亭主人