これから述べることは全て事実である、などということは無い。どちらかと言えば事実ならざることが多い。もっとはっきり言うとほとんどがでまかせである。しかし、これから述べることが今後、みなさんの身にふりかからないと誰が言えようか……。

6時40分

いつもより早い目覚めだ。久しぶりに目が覚めたような気がする。前回目が覚めてから24時間は経っているだろう。

6時50分

出勤。起きてから10分で仕度を済ませるのはいつものことだ。本来ならもっと早く起きるか、もっと遅い勤めにするべきだが、いろいろな事情が許さないので、毎朝10分で仕度する技術が身についてしまった。それでも、出勤時間が起床時間より遅いので大変助かっている。

8時50分

出社。今日は2時間で会社に着いた。大変な成功例である。今まで一番通勤時間がかかった例では1日と3時間(電車が事故で1日動かなかった)かかった例がある。

12時

昼食。会社に着いたとたんに寝てしまい、起きたら昼食の時間だった。それでもちゃんと食事は摂らないと健康に良くない。

12時30分

昼寝、午前中の睡眠で充分とは思うが、午後に何が起きるかわからないので一応昼寝をしておこう。

17時

やっぱり、と思っているだろうが今まで寝てしまった。これから仕事という選択肢も無いではないが、明日という日もあることだし、ここは退勤することにしよう。

17時20分

やはり焼き鳥を焼く煙には効し難い。少し飲んで行くか。

19時

ここまで飲んだらついでに食事をして行こうか、とお銚子をもう一本頼む。

24時

もう一本がいけなかった様だ、気が付いたら電車の終点に着いていた。しかし心配はいらない、私の家はここから歩いて30分のところにある。

翌朝6時

気が付いたら駅前のベンチで寝ていた。家までの往復を省略できたというものだ。しかも、始発の通勤快速に乗れる。

と思ったら、定期券が財布ごと無くなっていた。財布の中身はわずかだったのでかまわないが、定期券が無いと出勤できない。しかもまだ2ヶ月も有効期間が残っていたのだ。

誰だいったい、私の財布を持っていったのは。

と思って気が付いたら、まだパジャマのまま布団の中でもがいていた。出勤時間まであと2分……。

         2002年4月27日 アンクル・ハーリー亭主人

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2002.4.27掲載