前略、この手紙も早いものでこれが100通目になります。ほぼ丸2年間、くだらない話に付き合っていただいた方(多分居ないだろうが)には感謝致します。もう、いい加減に止めたら?という声が日増しに大きくなる中で、自民党を離党した議員の皆様を見習い、継続していきたいと思います。

 思い起こせば2年前の四月に、40年間友人としていろいろ世話をしたり、面倒を見たりした(いつも見るほうの僕です)S氏と、鎌倉で1日遊んだことを書いたのが1通目だったと思います。あまり読み返したくないので、そういう事にしておきましょう。

 もともと、東海林さだお、中島らも、椎名誠、土屋賢二、原田宗典などの面白派エッセイが好きだった僕は、自分でも書いてみたいなと、思ってしまったのでした。

 ところが、根が真面目な僕にはとても面白いエッセイなど書けるわけも無く、自分の若い頃の恥を連綿と(それほど長くないか)綴ってお茶を濁すばかりであります。まあ、これも昔、女性にもて過ぎた報いかと、この頃はざんげの気持ちで書いているような次第です。(うそです)

 ここらで名誉挽回、妻との大恋愛物語でも書こうかなと思いましたが、何しろだいぶ年を経た現物が目の前に居るわけですから、かつての甘い思い出も時が流し去り、厳しい現実が残っているばかりで、なかなか甘い話も出てきません。

 そういう点では、過去の方が勝手に美化できる点で、だいぶ有利のような気がします。もちろん自分の現実には目をつぶってのことですけれど。自分にはいくらでも甘くなれる点が僕の美点ですね。

 冗談はさておき、かなりの割合でおもしろエッセイを書こうと思っていたのに、実態は世の中に対する屈折した不満や、泣き言などが多くて自分でもあまり読み返す気にはなれないところです。

 それに、少し読み返してみると、誤字脱字が多いし、漢字変換が間違っていたりで、将来この「亭主の手紙」を出版することになったら、編集者は苦労するでしょうね。編集者のためにも、出版に至らないよう祈りたい気持ちです。もし、どうしても出版したいという人が居たら考えなおしますので、その際は遠慮なくお問い合わせ下さい。

 ただし、それによって起きる出来事(僕がアメリカ大統領になる、など)については一切責任は取れません。本が売れた利益などは、いただきますが…。

 それに、ここで初めて告白しますが、出版したい原稿は別にあるのです。構想40年を費やして世に問う問題作、「海賊黒ひげは何処に行った」スリルとサスペンス、ロマンが満載の長編推理小説、になる予定です。ただ、構想部分のうち前半はほぼ忘れ、中盤は今一つはっきりせず、終盤はまだ考えていない、という状況なのでいったいいつ頃本になるのでしょうか。いや、いったい出版元があるのでしょうか、その辺が一番の謎かもしれません。

 というわけで、折角の記念すべき100本目の原稿もまったく下らない終わり方をすることになってしまいました。しかし、それでも番組は続くのです。

         2002年4月13日 アンクル・ハーリー亭主人

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2002.4.13掲載