■福島わらじ凧■
この凧は、羽黒神社に奉納された「大わらじ」にちなみ、わらじの格好に似せて作られた大凧で、長さは1メートル近くもあります。正月頃に製作しています。
製作者記録:中井恒峯:福島市御山町7-3 TEL: 0245-34-5023
■あだたら山のうずら車■
九州・宮崎の「うずら車」と形も似ていますが、作り始められたのは、そんなに古くはありません。製作販売の二本松古代玩具研究所では、この他にも、安達こま(駒)・黒塚人形・あだたらの鈴・岳だるま・などを作っています。
製作者記録:二本松古代玩具研究所:二本松市松岡172-1 TEL:0243-22-0316
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■会津若松張り子■
猪苗代湖の側の会津若松市には、種々の郷土玩具が揃っています。その内でも代表的なものは、赤べこをはじめとする会津若松張り子です。
会津若松の張り子は赤べこをはじめ、会津天神、馬に乗った殿様、会津だるま、姉様、など、大小さまざまの型が作られています。
この地方の張り子は「赤もの」とも呼ばれて、赤色を基調に彩色されています。赤ものは昔は疫病除けの呪い(まじない)であり、また、子育ての縁起物として用いられたものです。
東北の諸玩具の中でも古い伝統を持ったこの会津若松の張り子は、豊臣秀吉に仕えた蒲生氏郷(がもううじさと)が、鶴が城城主として松阪から移封した時、下級武士の資(かて)になるようにと、京都から職人を招きその技術を修得させたのが始まりで、それが今日あで伝承されているのです。
掲載の「馬に乗った殿様」は五十嵐民芸店の製作品です。
■会津張り子赤べこ■
会津張り子の中でもっともよく知られているのが「赤べこ」です。
赤べことは、この地方の方言で牛のことで、この張り子には、千両箱や打ち出の小槌を背負ったものなどいろいろ変り型の赤べこがあります。制作者も数十人にのぼるといわれています。
制作者記録: 粟城 栄(くりきさかえ)「五十嵐民芸店」(4代目):会津若松市駅前町5-35 TEL: 0242-22-0930
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■会津張り子・姉様■
上記の五十嵐民芸店の粟城栄さんがデザインした張り子の姉様で、とぼけた愛らしさが、張り子の持ち味とよくマッチしています。
■会津張り子・起き姫雛人形■
下欄掲載の「起き姫」をモチーフにして、山田利正さんが製作した、張り子の内裏雛です。
制作者記録、次項に紹介。
■会津張り子・起き姫■
「起き上がり小法師」ともよばれる、親指大の可愛い張り子の「起き上がり」です。
これを作っている「山田民芸工房」では、「起き姫」「風車」「初音」を会津三縁起物と称して製造販売しています。(風車・初音は未収録)
「初音」は竹製のうぐいす笛で、春一番に鳴く鳥ということから、昔はこの笛を吹いて正月を祝ったそうです。
これらの縁起物や先の会津だるまなどは、正月10日市内のえびす市で売られます。そのとき、起き姫を家族の数より1個多く求め、家族の数が増えますようにという願いから、神棚にそれを祀って、「家内安全。養蚕の豊作」を祈りました。
制作者記録:山田利正「山田民芸工房」4代目:会津若松市七日町12-35 TEL: 0242-23-1465
◆(註)記事中の制作者の記録は、1995年頃の調査資料ですので、ご了承下さい。
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(1996.9.16/2001.07.08/2002.07.04/改訂)
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