日本列島・全国郷土玩具の旅

----佐賀県篇・第2回-(1)---

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唐津曳山
 「唐津くんち」の呼びものの曳山を象った、郷土玩具の唐津曳山が、唐津市内の野口善光さんの「唐津民芸」で、看板屋と兼業で製作されています。
「唐津くんち」は、毎年11月2〜4日に催される唐津神社の祭りで、ハイライトは3日の西の浜での「曳山」の曳き込みです。砂地にめり込む轍(わだち)への挑戦であり、多くの観客を魅了します。
 郷土玩具の「曳山」は土製で、本物をしのばせるような華やかな彩色がほどこされ、曳山全種類の14台が揃っています。高さは25センチと15センチ位の大小があり、その他に土鈴のものもあります。
 この「曳山」の実物の本体は、一貫張りの手法で和紙を何重にも張り、漆(うるし)で塗り固めたもので、張り子といっても厚さが3〜5センチもあり、一つの曳山製作には2年余の歳月が費やされたといいます。
 一番古いのは、文政2年(1819)に作られ、その後、数年ごとに製作されて、最後に作られた「鯱(しゃち)」は明治9年(1876)の作で、60年間にわたって作り上げられた芸術的な作品といえます。
◇この郷土玩具「曳山」は、「からつ曳山展示場」や、唐津焼協同組合の即売所で売られています。
◇収録できなかった作品に、曳山にちなんだものとして木彫りの「唐津んやま」「絵馬唐津んやま」があり、嶋田和夫さんの「しま民芸店」で作られています。
からつ曳山展示場:唐津市西城内6番33..TEL: 0955-73-4361
唐津焼協同組合:唐津市大名小路 商工会館内..TEL: 0955-73-4888
製作者:野口善光「唐津民芸」:唐津市大石町2447..TEL: 0955-72-2489
製作者:嶋田和夫「しま民芸店」:唐津市十人東十人町482-2..TEL: 0955-74-7594


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(1999.7.18掲載)