機種名 TOSHIBA ST-7043A
更新日 2025.01.16
概要
メーカー 東京芝浦電気株式会社
製造年月 1960年代 〜 1970年代
特徴 75mmCRTを表示器とした昭和レトロ&モダンな外観のアナログオシロスコープ。


スペック 【垂直軸帯域】
 −
【水平軸帯域】
 −
【入力チャンネル】
 1 ch
【X-Y表示】
 可
【Z入力】
 有り?
構成部品 【CRT】
 3KP1(F)
【真空管】 計3個
 6AQ8 x2 … 双3極管
 12AT7 … 双3極管
取説 無し
回路図 無し
初期状態
外観/内観 正面パネルやケースに汚れや傷は少なく比較的きれい。
内部はそれなりに埃が侵入しているが、年数の経過からすれば少ない方か。
動作 電源スイッチを入れたが、内部の真空管は点灯せず。正面のパイロットランプも同じ。

ヒューズを取り出して見たところ、内部が結露しているように湿っている感じで曇っておりよく見えない。だが、どう見てもフィラメントは見えない。マルチメータで導通を調べたが開放(オープン)しているのを確認。

新しいヒューズを取り付けて、いざ通電!
一瞬、パイロットランプが点灯したが、ジュッという音とともに消灯。
またしてもヒューズが飛んでしまった。どうやら、内部に重大な問題が有ったようだ。
付属品
清掃
作業内容 内部は、刷毛で埃を掃い、一部は水拭き。
外部は、マイペットで水拭き。
現状
内部 問題有り、調査・修理が必要
外部 問題無し
動作 不動状態。
コメント 不動の為、ケースを開けて内部を検分。
何分にも古い機器なので大半の部品が怪しい訳だが、とりあえず焼けている部品は無いか、特にコンデンサの膨張,液漏れ,破裂は無いかを点検したが、ざっと見た限りでは無さそう。

偶然だが、ふと目の前の基板に目が行った。何だか判らない素子が整列して配置されており、SH-1と刻印されている。Webで検索すると、ダイオードの一種らしく、確かに基板にもダイオードの記号がある。どうやら、整流回路の基板で、このSH-1でブリッジを構成しているようだ。
試しに、一番手前のSH-1をマルチメーターで計ってみた。順方向、逆方向共に数百Ωでありオカシイ。隣のSH-1では逆方向は∞で、これがダイオードの正常値だ。
どうやら、このSH-1は短絡・破損しているようだ。
(但し、オンボードでチェックしているので、基板から部品を外して再チェックが必要)

さて、このSH-1の状態とヒューズが飛ぶ症状は関係するのだろうか。そこで、整流回路のブリッジを構成するダイオードが壊れた場合に何が起きるのかを調べてみた。
見つかった。
これによると、ダイオードの壊れ方にはオープン(開放)とショート(短絡)の2種類有る。
オープンの場合は全波整流が半波整流になり、交流電力の半分が使われなくなる。この場合は、動作はおかしくなるだろうがヒューズは飛ばないだろう。
しかし、ショートの場合はブリッジ回路の本来通電されない方向に電流が流れるので、100Vの電源自体がショートした状態になり、ヒューズは確実にぶっ飛ぶようだ。(飛ばなければ、他の部品が焼けるか屋内配線入口のブレーカーが落ちるだろう)
恐らく、このSH-1の短絡・破損がヒューズが飛んだ原因だろう。

このSH-1だが、もう製造はされていない。だが、全波整流のブリッジ回路に使われているはずだから、現在の整流ダイオードで置き換え可能だと思われる。幸いにも手持ちに何故か使いもしなかった整流用ダイオードがあるので、試しにこれと交換してみる。これで、少なくともヒューズは飛ばなくなるはず。




話は変わるが、本機は菊水の536Aとクリソツである。個々の部品レベルではメーカーの違いが有るのだが、内部のレイアウトがほぼ同じに見える。恐らくだが菊水から半完成品的な状態でのOEM供給か、設計の提供を受けたものではないか。(まさか、逆だろうか?)
おかげで、536Aの回路図を参考にできる。
修理
症状1 ヒューズが切れる … 未対応、整流ダイオードは代替品を調達済み。
症状2
利用
グラフィックス

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