機種名 TRIO CO-301S
更新日 2024.08.12
概要
メーカー トリオ株式会社(有限会社 春日無線電機商会)
製造年月 1960年代
特徴 同社のCO-3Kと同様の銀色に輝くベゼルが特徴的な、75mmCRTを表示器としたレトロな外観のアナログオシロスコープ。
尚、CO-3Kと違いフロントパネルは白く塗装されており"SYNCHROSCOPE"とプリントされていて、波形を静止表示させる同期回路を搭載している。
スペック 【垂直軸帯域】
 −
【水平軸帯域】
 −
【入力チャンネル】
 1 ch
【X-Y表示】
 可
【Z入力】
 有り(正面パネルの"INTEN MOD")
構成部品 【CRT】
 3KP1
【真空管】 計14個+2個(ネオン管)
 12AT7 x4 … 双3極管
 6U8 … 発振 増幅 混合用 3極・5極複合管
 6AS6 … 5極管
 12BH7A … 増幅 発振 垂直偏向出力用 双3極管
 6CA4  … 全波整流用 双2極管 (傍熱型)
 1X2B x2 … 半波整流管
 6X4 … 全波整流用 双2極管 (傍熱型)
 6DJ8 … 中増幅率 双3極管
 6AU6 x2 … 5極管
 ネオン管 x2 … 弛張型発振用
取説 無し
回路図 無し
初期状態
外観/内観 全体的に状態は悪く錆だらけ、持ち手も無くなって電源コードで代用しているような代物。おまけにヒューズケースの蓋が無い。
メーカー名や機種名のプリントが何故か削られている。
ターミナルのノブが1個欠品、ゴム足が4個中2個欠品。
CRTに焼き付きがあり、CRT保護カバーの内側に埃の侵入多数。
ケースを開けてみると、恐ろしいほどの綿埃に覆われており、めまいがしそうになった。
動作 ヒューズが無く電源投入できないので、動作不明。
付属品
清掃
作業内容 めまいを起こしそうな内部は、炎天下のベランダに出て小一時間、刷毛でひたすら綿埃を払い何とか室内を汚さない程度に清掃した。
外部は、ケースの大半が外せたので、洗面所で水洗いして汚れを落とした。水気が気になるが、幸い外は気温が38度近くまで上昇しており、10分も外に出して置けば触れないほど加熱され、すっかり乾いて問題無い。
現状
内部 清掃済み
外部 清掃済み
動作 ヒューズホルダーを交換して通電、揮線表示はOK。
コメント 目につくのはやはり真空管の多さ。トランジスタは見当たらず、整流・増幅回路が全て真空管で構成されている。その数なんと14本。
又、角型のオイルコンデンサがまるでクラスター弾。他の機種では1個から2個使っているのは見かけたが、5個も束ねて使用しているのには驚いた。何に使っているのだろうか。
菊水のOP-31とは製造年(1960年代)が近いと思われるが、内部の造りはこちらの方がスッキリしている。又、部品の汚れ具合が少ない感じだ。埃だらけではあったが、部品の劣化は少ないように感じる。
それから、正面パネル左下のBNCコネクタだが、少々違和感がある。固定用と思われるネジが4個見えるが、普通はこんな固定はしない。それにネジが大きすぎる。元々はGND等と同じターミナル仕様だったものか、CO-3Kと同じ端子をBNCに改造したのではないだろうか。まあ、BNCの方が一般的なプローブを使う上で都合が良いのだが、できればネジは小さいものに交換して目立たなくしたい。
ところで、本機では電源スイッチが見当たらない。通常ならシルバーメッキされたトグルスイッチやINTENのノブを回すと”カチッ”と音がして通電となるのだが、それらしいものが見当たらない。まさかコンセントに挿すと即電源投入…なんて有り得ないので、しばらく途方に暮れた。もう一度操作パネルをじっくり眺めてみるとLINEとプリントされたスライドスイッチがある。まさかコレがと思ったがビンゴだった。こんなの初めて見た。メイン電源スイッチでこれは、ちょっとセンスを疑う。
取説や回路図は無いかとググってみたが、殆どヒットしない。唯一当てになりそうなのが国立国会図書館のアーカイブにある雑誌「ラジオ技術 1964年09月号」の記事、「トリオ CO-301S シンクロスコープの回路と波形/ / 111〜 (0057.jp2)」だ。雑誌の記事なので完全版では無いだろうが、主要な部分は有りそうな気がする。閲覧に行くか、遠隔複写サービスを利用するか。とりあえずは利用者登録を検討。
オークションで安く出品されるのを気長に待つというのもアリだが...。
修理
症状1 ヒューズホルダーの交換 … 対応済み
秋月でホルダーを購入、サイズも合致して問題なく交換完了。
症状2
利用

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