![]() |
|
しし座流星群 2001 | |
'2001.12. 3 | |
[解説] | |
ぎょしゃ座を斬るように流れた流星です。流星は非常に早い速度で移動しますので、写真には写り辛い被写体なのですが、今回は多くのコマに捕らえることができました。普段でも撮影中に画面を横切ることがあって、”お、写ったかな”などと期待してしまうのですが、現像すると影も形も写っていないというのが相場ですから今回の流星が非常に明るかったことが判ります。また、肉眼では判らなかったのですが、写真では光跡の始点で緑、それから黄色になり終点では赤といった具合に色の変化が見られます。 画像が少々荒れ気味です。暗い流星でも写るようにと、レンズは絞り開放,7分露出,高感度フィルム としたためですが、甲府市街の光害の影響かフィルムの特性によって、緑やシアンに偏った色合いになりました。 1999年の出現では期待したほどの流星は見られませんでしたが、今年は違っていました。日本の学者さん達はほとんど注目していなかったようで、直前のTVインタビュー等でも’あまり期待しないように’みたいな雰囲気でしたが、天文誌等では結構前評判は高かったようです。これは、英の天文学者アッシャー博士の理論では数千個の流星が見られるとの見解によるものです。これだけなら単なる予言なのですが、この理論を裏付けるような出現状況が2000年に起こったため、今年の日本での出現が非常に期待されていました。そして理論通りに活発な出現が起こったのです。 |
|
[観測ガイド] | |
しし座流星群は元々毎年活動が見られるものなのですが、今後は従来通り1時間に10個程度の出現に戻ると言われています。ですから、今回のような大天体ショーみたいな派手な出現は、ここ数十年は無いそうです。残念。 それから、よくTV等の解説では、しし座自体を見るように薦めていますが、実際はしし座を中心とした全天で見られますので、しし座の方向にこだわらずに開けた場所で寝転がって見るのが多く見るコツです。これは、他の流星群においても言えます。 写真に撮るのであれば、固定撮影という方法が一番手軽です。バルブ付のカメラを三脚に固定して、シャッタースピードをバルブにセットし、シャッターを切りっぱなしにできるレリーズを取り付け、レンズはピント無限遠で絞り開放か1段絞りで撮影します。最近のカメラは電子式シャッターが大半ですので、予備の電池を複数用意して電池切れに備えます。できれば、機械式シャッターを備えた古いカメラをお勧めします。固定撮影では星が日周運動によって徐々に動いていくので、撮影1コマ毎にフレーム合わせを行います。フレーム内に流星が飛んでも大喜びは禁物、周囲が明るくなるくらいの流星でないとフィルムには残らないものです。落ち着いてシャッターを閉じ、飛んだ時刻を記録しておきましょう。 |
|
[撮影データ] | |
日時:2001年11月18日 24時05分00秒 露出:約7分 場所:山梨県 清里町 清里の森 駐車場 天候:快晴 気温:約0℃ レンズ:Nikon 35mmF2.8 架台:Kenko SKYMEMO NS +カメラ三脚 カメラ:Nikon FE フィルム:Kodak PORTRA800 感度(ISO):800 ガイド方法:ノータッチ・ガイド(恒星時駆動) |
|
[画像処理] | |
マシン:Apple PowerMac7600/200 スキャン:Nikon LS−2000 ソフトウェア:Adobe Photoshop 処理: レベル補正, トーンカーブ補正 等 |
[星のギャラリー]