産 地 探 訪

産地長野県東筑摩郡麻績村室沢

麻績村の村落の南方には四阿屋山(1387m)があり、この北斜面を巡る林道沿いに優良な水晶を産するポイントがあります。林道と室沢が交わる付近では第三紀層をヒン岩の岩体が貫いており、ヒン岩の岩脈の周囲から水晶が見つかります。ここの水晶は透明で結晶面の輝きが良いもので、負晶や気泡、水入りが多く見られます。なお、ヒン岩の中には径10Cm位までの気孔があり、内側は葡萄石に覆われており、その表面には方解石や緑廉石の細かい放射状集合体などが見られる場合があります。
ポイント1:砂礫岩の割れ目に水晶が見つかります。石英脈と言えるほど塊状の石英の量が多くなくて、母岩に直接水晶が着生します。晶洞があれば5〜6Cm位の長柱状の結晶が得られます。崖が崩れやすいので注意が必要。ポイント1からポイント2にかけての露頭には同じ産状のものが見られますが、あまり量はありません。なお、林道の下の土砂からも見つけることができます

ポイント2:岩盤に1m位の幅の割れ目があり、この割れ目の一部に水晶を産しました。かなり掘り込まれたために今は産出は一段落している模様です。最大で約15Cmのものが得られています。希に中心部が非常に淡い紫色を帯びるものがありますが、紫水晶といえる程ではありません

第2室沢橋付近にはヒン岩が派手に露出しており、険しい地形となっています。沢に崩落した岩塊に晶洞を見る場合があります                        葡萄石
ポイント3:ここはヒン岩の露頭でかなり風化しています。変質の著しい部分が脈状にあり、その一部に水晶を伴います。大きさは5Cm以下の小型のものが多いようで、松茸型のものがよく見つかります。


なお、当地は秋には松茸山になり、林道の両側の山林への立ち入りが禁止されるので注意が必要です。(しかし松茸山というのはなんとかならんもんですかね。あんなくだらんものに法外な値段が付くのがそもそも間違ってる。松茸なんぞに狂奔する不逞の輩に何故いたいけな鉱物マニアが虐げられなくてはならないのか!..いや、物欲の虜という点ではどっちもどっちか..)