「リボンの騎士」

◆◇◆'98.11.26(木)〜12.18(金)に銀座セゾン劇場で上映されている「リボンの騎士」の感想です。◆◇◆

「あらすじ」

鷲尾高校応援団部がPTAからの圧力で存続の危機に追い込まれた。一方、演劇部では今度の上演演目をケダマこと池田まゆみ脚本の「リボンの騎士」に決定。フランツ王子役を全校からピックアップしようとするがなかなか決まらない。やっと見つかったのが廃部に追い込まれた応援団部のリーダー部長、中島親弘。だが彼はまゆみにとって中学時代からの因縁の仲、そして彼女のもつフランツ王子のイメージとはかけ離れた人物だった。
まゆみには幼い頃からサファイアは憧れの存在。是非サファイア役を演じたかったが演劇部員の挙手による投票で友人トーコに決定。
その後舞台装置担当の牧内が家庭の都合で演劇部をやめてしまう事件や公演への生徒自由参加制度で演劇部員たちは一気にやる気をなくしてしまうが中島の激でみんなやる気を復活させる。
いよいよ稽古も大詰め、本番に向けて意気揚々の所に今度はトーコが3日間練習に出られないと言い出した。肝心な時になぜ?と部員たちは憤るがトーコは訳は話せないという。いよいよ激高する部員たちに対して中島が「お母さんが家出したんだ」と真実を話してしまう。トーコは怒って去り、演劇部員たちの態度についに中島も切れて演劇部をやめると言い出すが、まゆみは必死でおしとめた。

結局トーコがいない間の代役はまゆみが務めることになる。そんな彼女をリボンの騎士のキャラクターたちは応援する。そしてまゆみと彼らの関わりが語られる。
そんななかトーコが戻ってくる。トーコに、演劇部員に、「リボンの騎士」にエールを送る中島。
こんなにがんばったのだからたくさん客をよびたい、と予告編上映を行う。団部の仲間たちの協力もあって注目を集めることができたのだが舞台装置がこわれてしまう。そんな中牧内が戻ってきて徹夜で作業をし、ついに完成。無事上演の日を迎える。
本番は大成功をおさめるが、それはまゆみの幼い日から親しんできたリボンの騎士の仲間たちとの別れでもあった。


「かんそうその他」

出演者による観劇上の注意事項は横内さんの舞台ではおなじみ。(と、今ようやく「夜曲」の一部分を思い出した。。。)「フォーティンブラス」では草なぎくんが舞台への出演準備をしながらつぶやき調で演じられました。今回は団部による注意ね。井ノ原くんもいます。

演劇部員たちは男性は黒田勇樹のみ、あとは全員女性。メインは彼女たちなので女性主体のお話なのね、という感じです。また、彼女らを通して高校生活ものぞけるわけですがここで違和感。横内さんはパンフをみるとおそらく高校演劇へのオマージュも込めて今回の脚本をかかれたみたいですが、それはいいです。主役のまゆみやトーコはおそらくは横内さんの高校時代はこんな感じだったのかしら、という感じで描かれていますが後輩の1年生がね、コギャル用語が浮くんですよー。ここだけ現代、といった感じで。団部も時代を感じさせるものだったから全体的に20年前(勝手に)という風に設定してしまえば良かったのに、とちょっと思いました。妙な気恥ずかしさを感じてしまうのは私が年だからかしら?(^^)だってさー「リボンの騎士」この私の周囲でさえ知ってる人あんまいないよ?アニメみてたの私くらいだよ(^^;あと「ひょうたんつぎ」の名前、はじめて知りました。そうなのか。

この物語、事前に「井ノ原くんが主役」という事になっており、最後のカーテンコールも彼がメインで行っていたので一応そうなんでしょうけどみんな観た感じはどうですか?「蘭々だよー」って思うのでは?(^^)これがまた横内さんの手というか・・・「フォーティンブラス」の時もそうだったんですね。つよしくんが主役だ!と意気込んで見に行ったら「・・・いのっちが主役?」でも最後の挨拶はつよぽんだったけどぉ。青春群像モノでみんなが主役なのよね。観客のみんなも主役だよ、って感じかな。
井ノ原くんは、初日からホントにのびのび演じていたと思います。あと座長としての余裕も感じられたかも。初日のカーテンコールから満足いく笑顔でした。「MASK」に比べると(^^;;

手塚キャラたちの世界が良かったですね。ここらへんも横内ワールドというか…現実でないものの世界。「にせ皿」「夜曲」「フォーティンブラス」にはユーレイさんが出てきました。でも人間と同じなの。こちら漫画のキャラクターでファンタジックな分美しくて良かったですね。衣装がまた忠実で良かった(^^)やはりああいった派手な衣装の方がみていた楽しいもん。彼らが登場するシーンに主に流れていた曲(エンヤ)がまた幻想的な雰囲気を醸し出していて良かったですね。

「フォーちゃんへのオマージュ」ということで。井ノ原君扮する中島親弘の事をまゆみが「忍者ハットリくんみたいな顔して!」という台詞がありますが、コレ、「フォーティンブラス」の時も同じような台詞があったんです。井ノ原君扮する岸川和馬の事を「五木ひろし」とか「忍者ハットリくん」とか。
あとはまゆみがひょうたんつぎにエイッと裁縫はさみを投げてぶさっとささる。サファイアの剣がひょうたんつぎにぶさっとささる。コレもありました。六角さんの役にぶさっと。
あと一度親弘が捨てた衣装をまゆみが拾って渡す…というのも似たようなのがあったかな。最近思い出しました。一度は舞台を放棄しようとした和馬に草なぎ君扮する武年が衣装を渡していました。

今回は「シャノアール」「相模原」、フォーちゃんの時は「チャコット」。こちらの方がマニア度が高い。というか私が知らなかった。

ちょっと・・・?
初演やっている最中「・・・うーん・・・」最後はキレイにまとまったのでよしとしたのですがそれでもなんだか物足りない。あとちょっとたるんじゃう。もっとスピーディに、テンポよくいかないのかしら?よけいなエピソードは省けないのかしら?とか思いながら見てました。あと物足りない、と思ったのは「フォーティンブラス」を念頭におきながらみたからかな。あれはアクが強すぎだし(^^;

「演劇賛歌」は相変わらずでしたね。思えば「モダンボーイズ」「フォーティンブラス」もそうでした。そして人生前向きの内容。がんばっている登場人物。がんばっていない私はズキ、としながら観ているのですが(^^;観客へのエールでもあるところも同じ。
逆に「怪談・にせ皿屋敷」「夜曲」はこの世の無情とか破滅、そういったものを描いていたような気がします。どちらかというとこっち系の方が好み(^^;

紗英ちゃんと蘭々ちゃん。2人ともかなり出来がよくて良かったです(^^)舞台がはじめてとは思えないくらい声も出ていたし(まあ通る声ではあるんでしょうが)。

中島親弘。あまりに井ノ原君らしすぎて(^^;いいの?役作りしてるの?(笑)(してるけど)まあいいんですけどね。
つよぽんも「蒲田」をやることだし「フォーティンブラス」をひっぱりだしてみてました。イノもつよぽんも声ガラガラ・・・だいたい中盤まわったあたりの中継だったのね、コレ。現在中盤いってませんが井ノ原さん声ガラガラです(^^;低音だとかなりセクシーヴォイスでステキなんですけど・・・がんばってください。→後半、元に戻った…まではいかないけどまた声出るようになりました。

伴さん六角さん。すばらしい性格俳優ですね。「モダンボーイズ」の頃から拝見させて頂いています。伴さんは「夜曲」が一番大きい役だったかな?あれも衝撃的だったわー。六角さんは「フォーティンブラス」かしら。面白かった。
そのほかのひとたちもみんな個性的でステキですが、私のお気に入り?は団部長の小田さん(^^)チアガールの時の開き直った顔とかもステキですー(顔しかみてないよ。あのシーンは)

注:「フォーティンブラス」とは'95.3に新宿紀伊国屋ホールで上演された横内さん脚本の舞台(再演)。SMAPひとりだち舞台、草なぎ剛の巻です。これに井ノ原くんも重要な役で登場しました。これの再演は同年10月に近鉄劇場にて。V6デビュー後だったので途中で使われる曲が「MFTP」になっていてイノは客席におりてお客さんと手パシをしていった(^^;

最後に好きなシーン。一番好きなのはカーテンコール。舞台装置がスーッと上がっていって井ノ原くんが一人だけ立っている…というのがとっても好きです。すごくいいよ。舞台をやり終えて満足そうな顔してるしね。フランツ王子の衣装もとても似合ってます?
次点はキスシーン。いやあ…好きですわ。あとは抱き合うシーンとか組み手?のシーンとか。女の子とのカラミが好きなのかなあ。やっぱり女の子と一緒だとかっこよさがひきたちますもん。

井ノ原的視点を離れて…(^^;だと、リボンの騎士キャラクターとのカラミが好きです。まゆみが代役をつとめる時のみんなが参加して稽古するシーン。フランツ王子の英語(コレフランス語の発音っぽいよね)でまずドキリ。そこからみんなの練習風景〜最終場:宮殿でのフランツとサファイア。
あとは最後、劇を上演中にセットが倒れそうになった時みんなが助けてくれるところ。

なんだか全然まとまんなくってとうとうアップするのが千秋楽の日になってしまいました。まあまとめみたいな形で読んで頂けたらと…。っていつも思うんだけど岡田くんのサイトで井ノ原くんのレポ読んでくれている人いるんかな?(^^;イノのレポの方が多いよ〜(^^;
最後に、楽しい舞台をありがとう。そのうちまた舞台で会いたいです>井ノ原くん
(岡田くんも舞台いいと思うんだよな〜仕事くれないかなあ…博品館のミュージカルとかやりたいなあ)

98.12.17

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