オラクル CDドライブ

トーレンスを思わせるフローティングシステム。アナログディスクの演奏を連想するトップローディング方式。CD駆動の心臓部は信頼のフィリップスCDM-PROドライブ。

これらのスペックと、そのあまりに美しくかつ意表を突くデザインだけでも十分にマニアの心を躍らせてくれるCDドライブですが、その音もまた、外観にふさわしくアナログ的滑らかさというのがこのドライブの評判です。

もっとも、正直なところ、音のほうはDAコンバータでむちゃくちゃ音が変わることも試聴でわかったので、「このドライブ特有の音」という定義は定かではありません。ただし、間違いなく言えることは、圧倒的に外乱に強く、非常に安定してCDを読み取っていること。そのことは、テーブルをこぶしで叩き続けてもなんの影響も出ず、また、デジタルケーブルを変えてもほとんど音が変わらないという安定度が一つの証ではないか、などと勝手に想像しています。

 

♪♪トップローディング♪♪
 トップローディング方式のドライブも色々ありますが、多くがトップのスライドドアを開ける形式。この場合には、ディスクの駆動や新規ディスクの読み込みが蓋の開け閉めと連動して自動で行われます。
 しかし、オラクルは違うのです!

1) アルミ製の蓋を手で外し、
2) 指を入れる場所が非常に制約されたディスク室に慎重にディスクを置き
(熟練を要する)、
3) 磁石式クランパーでロック。
4) 蓋を閉めた後(これも若干の熟練を要する)、
5) 新規ディスクの内容を読み込ませるために、一番左のボタンを押す。

これがオラクルCDドライブでの始動の儀式。しかも、最後のボタンを押し忘れて、そのまま「Playボタン(右から2番目)を押そうものなら、その前のディスクのトラック情報で始動してしまってエラーを起こします。

ディスクを交換する場合にも、
6)磁気クランパーは、ディスクにはブチルゴムで吸い付くようになっているので、テーブル面など埃があるところにおいてはいけない!

 そうです。この面倒くささを美学と理解できない人にとっては、このドライブは、ただの面倒くさい道具に過ぎません。でもLPに慣れ親しんだものにとって、この儀式がなかったことこそ、CDに物足りなさを感じてしまう一因だったに違いないのです。

 トップローディングの利点は、実は、このようなメンタルなものだけではありません。読み取りレンズを直接眼で確認し、汚れを綿棒で慎重に掃除することが出来るのです。これはWADIAで、どれほどやりたかったことか知れません。クリーニングCDでクリーニングしたって、きれいになったか見えないのですから、欲求不満になりそうでした。トップローディングなら、なるほどレンズがきれいだ、と納得できるのです。

♪♪シンプルな表示♪♪
 上の写真のとおり、表示はシンプルそのもの。トラックと、時間しか表示されない。でも、私には、これで十分です。
 なお、
リモコンのスタンバイボタンで表示だけを消すことが出来ます。表示だけの消灯で、内部の電源は切れず、駆動適温を維持するとマニュアルにはかかれています。これは非常にありがたい機能です。この種の機材は電源を落とさないのが原則ですが、WADIAでは、表示が消せなかったために、つきっぱなしの文字点灯部やLEDのみが経年劣化で暗くなってきてしまい、大変気になりました。

♪♪なぜか裏側までも美しい♪♪
 背面のコネクター部もそれなりい演出されたデザイン。使用するデジタルケーブルのデザインまで思わず気にしてしまうのでした。

♪♪すばやい起動♪♪
 驚いたのは、CDの起動とトラック変更時の音だしの速さです。リモコンを使えばトラックナンバーが直接入れられ、スパッと切り替わります。これはCDM-PROの威力でしょう。非常に気持ちがよいです。SACD兼用機にしなくてよかったかも、と思える瞬間です。ま、もっとも、DAC64では数秒のバッファに音を前読みして貯めてから音が出るので、このすばやさは相殺され、普通の反応になってしまいますが・・・。

♪♪CHORD DAC64 Mark2との音♪♪
 この組み合わせで聴ける美しい音は、まさにドライブとDACのデザインイメージそのものです。特に弦楽器の輝き、滑らかさは、特筆。DAC64から来るものか、オラクルから来るのか、その相乗効果なのかは私にはわかりません。でも、それを分けて考えることこそ、無意味というものです。

DAC64のページ、およびオラクルCDドライブ+DAC64導入顛末記 もご覧ください。

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