プレイバック デザインズ MPD-3
D/A コンバーター


現在は私のシステムでは引退済みです。

CDからアナログディスクの音がする

 私のシステムは、アナログディスクもA/Dコンバータでデジタル化(96kHz)して、DEQ2496でイコライジングの後、D/Aコンバーターを通して聞くという、生粋のアナログ派なら目をむきそうなシステム。(詳細はこちらに
 私はアナログ派でもなく、デジタル派でもなく、よい音ならこだわらない派なんです。
 重要なことは、DEQ2496以下は完全にCDと対等な、デジタル経由のこのシステムで聞いても、アナログディスクの音は素晴らしいこと。まったく同じソースによるLPとCDとを両方持っているケースでは、ほぼ間違いなく、LPの音が上なのです。
アナログディスクの再生システムのどこかに音をよくする仕組みがあるのではないのか。
恐縮ながら、多くの人がおっしゃる「20kHz以上の音が出るからLPの音がよい説」には、どうも納得できないんです。だって、明らかに可聴帯域で音がよいのが聞き取れる。それは、なんとなく気持ちがよいというような微妙な差じゃない。

なにが異なるのか、ずっと考えてきて、その差が、アナログディスクの
ある種の非線形性、ある種の高調波にあるらしいことをついに理解しました。
真空管アンプが魅力的な音の理由にも通じると思われます。 そして、前者の非線形性は、DEQ2496で再現可能だが、後者の高調波の付加は、DEQ2496の機能ではできないこともわかったのでした。これは困った・・・。
 そんな状況で、ふと思いついて(実はちょっと予感がして)試聴したのがPLAYBACK DESIGNSのD/Aコンバーター、MPD-3でした。驚愕しました。

アナログディスクにはあってCDにはない、何かを確かに追加してきます。
これは簡単にまねできないと思いました。決して安い機材ではありませんが、この音を開発したアンドレアス・コッチに敬意を払い、速攻で購入したのでした。

  明らかに何かを「追加」していると思うけれど、音がよければそれでよいではありませんか。
  DAC-64と同様に、DACチップを使わず、プログラマブル・ゲート・アレイ(簡単に言えば、アルゴリズムを書き換えられるデジタル回路)を使ってD/A変換するこのMPD-3は、その価格にふさわしい非常に美しい音を奏でるD/Aコンバーターと私は思います。


MPD-3の背面端子。XLRとRCA、それにUSBのデジタル入力と、
同じくXLRとRCAのアナログ出力という非常にシンプルな入出力系統

 

(2014年1月3日記)
2018年7月改定

 

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