02年5月4・5日奈良周辺博物館訪問記

それぞれの博物館・企画展情報は、各HPで確認してください。
ごめんなさい。(いずれひまな時に更新します)
奈良国立博物館
奈良文化財研究所 飛鳥資料館
橿原考古学研究所附属博物館



奈良国立博物館
「東大寺のすべて」

人・人・人・・・沢山の人が来ていました。 (ほとんど近くで見られない・・・)
企画展示はまさに展示だけに思えました。
それから、美術・芸術的価値に主眼が置かれ、私のような歴史系にはすこし物足りないものでした。
ただ、上総国周准郡の布には感動(言い過ぎか(笑))した。
以前同博物館で開催された正倉院宝物展の大嶋郷の戸籍などの東国関係の本物遺物を見たときにも感じました。 ところが、第2展示室では、「東大寺の考古学」と題して展示されており、ほっとしました。(どうも文献だけで満足できない考古学系の悪い点でしょうか(笑))
でも、展示としては普通のもので映像を使ったり、ITを駆使したものではありません。(残念)

奈良文化財研究所 飛鳥資料館
特別展示「あすか以前」

まず、第1に専門家向けなのか、展示には工夫はあまり感じられませんでした。
展示は旧石器・縄文時代2割、弥生時代4割、古墳時代4割といった感じでしょうか。
そして、順路を明示してほしいと思いました。
ちょっと物足りなく感じました。
ただ、常設展示の中の山田寺に関する展示は、ITなどは駆使していないが、以前(3年程前?)来たときにはなく、興味深く見学した。
理由は、奈良国立と似ていて、千葉県の下総国印旛郡の龍角寺の瓦が山田寺系のものであり親近感があるためなんですが・・・。
ただし、時間(20分以下)がなかったため半分も詳しく見られなかったので、詳細はかけません。(謝)
でも化学的な分析が取り入れられておりよかったのですが、保存科学分野のことでちょっと物足りない。

橿原考古学研究所附属博物館
春季特別展「大和と東国〜初期大和政権を支えた力〜」

最後に、夜6時30分過ぎに、到着しました。 ここは、日によっては夜9時まで開館しており、とても便利な博物館です。(他は5時までなのでここを最後に持っていけますから。)
「開催にあたって」に、初めっから「仮説である」と前置きし、これに対する建設的な意見を求めているのは、私が以前書いたようなことを実践しているようなので、 うれしく感じました。
ただ、いうからにはアンケート用紙のような意見用紙を置くなり、郵送場所を示すなりしてくれれば完璧。
まず畿内から東海までの各古墳の特徴や出土時の特徴が述べられています。
時期は古墳出現期から古墳時代前期で主に土器の変遷、古墳の形(前方後円墳と前方後方墳)を論じています。
次に、東国の古墳の特徴になります。
場所は、上毛野国東部・西部、下毛野国南部、那須地域のものです。
個人的に、何で南関東(特に上総、下総)の物がないの?という気持ちです。(笑)
さて、全体的に述べられている仮設が読み取れず困っています。
おそらく、大和と東海は同盟関係にあり、東海が東国への先鋒となり東へ広がり、弥生時代後期には地域差があった東国地域が東海の力を皮切りに勢力を広げ、 近畿の勢力下においていったという仮説なのかな。
2段階支配領域拡大仮説とでも言おうかな。

ところで、私は反対ですけど。(笑)
やはり東国地域は大和朝廷の勢力下になるのを嫌い、大和との違いを出すため、とりあえずは東海の影響を受けつつ(もちろん東海も大和と同盟はしていないと思います)、 抵抗していたと考えます。
はじめから大和朝廷を支えたとは考えたくないですね。(本音)
だって、ならなぜヤマトタケルノミコトの東国遠征の記事があるのではないですか。
もともとしたがっていたならはじめから書いたのじゃないかな。
でないと、遠征の記事が嘘になりませんでしょうか。
あらら、物的資料がないと信じないと云っていたくせに、証明の出来ないことを論じていますね、私は。
閑話休題
全体として、専門家(学生など)・研究者向けの為仕方がないのですが、もう少し工夫が欲しいと思いました。
(常設展のほうはITはないけど図解が多くとてもよく、特に巻向への土器の移動に関する展示は、展示手法の基準になれると思う)






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