特別企画展示会名:「新収資料展」場所:神奈川県立生命の星・地球博物館特別展示室 期間:平成14年4月27日(土)〜6月2日(日) 博物館情報開館時間:午前9時〜午後4時30分(入館は午後4時まで) 休館日:
観覧料金: ※( )内は 有料人員20名以上の団体料金 および 「小田急箱根フリーパス」の割引料金 です。 20歳以上(学生を除く)― 510円 (400円) 20歳未満・学生――― 300円 (200円) 高校生以下・65歳以上― 無料 |
企画展示について綺麗な蝶、大きなヒグマの剥製など新収の資料が展示されています。 歴史系では、貝塚の剥離標本がありました。
常設展示についてます、天井の高いエントランスホールに入ると早速恐竜が出迎えてくれます。その下に、導入ビデオがありますが、手話も入れており、アクセシビリティは高く評価できます。 しかし、元映像は、NHKの「地球大紀行」「銀河宇宙オデッセイ」などを再編集しているようです。 次に進むと、地球誕生から始まる地球展示室になります。 はじめのビデオでは、最新のプルームテクトニクス理論が解説されていてとても面白く見られます。 印象に残るのは、巨大な岩石標本や壁一面にある岩石でしょう。 そのほか、私も興味ある各種鉱物の標本(宝石もありますよ)がありうれしくなりました。 まあ、展示自体はほとんど地球大紀行の影響が大でしょう(笑)。 さて、このような展示は、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、群馬県、埼玉県にありますがどれが一番でしょうね。(似たもの同士でもったいないような。これはあとで少し考えを述べます) 飛んで次は、生命展示室になります。 この博物館の大きな特徴は、動物界、しかも恐竜関係でしょう。 ちゃんとみれば、恐竜以外もしっかり解説されていますが、化石標本にどうしても目が行きます。 展示の仕方として、画像を多用していてとても良かったです。 たとえば、各自然環境(極地とか冷温帯とかの)における動植物について1分のビデオを流しており、よいと思います。 「多様をもたらしたもの」として遺伝にかんする解説(突然変異とか自然適応について)があり、例として昆虫などを使い、個体変異の説明に標本を使ってわかりやすく観察できるようになっているのは面白い。 次は、エスカレーターで3階へ上がります。 基本的には、神奈川県の自然についての展示室になります。 日本の地質構造図をもとに、鉱物標本を使って解説されていてとてもよかったです。 時代によっては、生物化石も使い(ここにも恐竜がいる・・・(?)。)、神奈川の成り立ちを解説しており、それぞれ映像も用意している。 ただし、神奈川県という地域のものであれば、千葉の中央博物館のほうが上と思う(恐竜好きには反対の評価があるだろうが、総合的にはみればどうでしょうね)。 さらに、次に展示室があり、「人間と自然のかかわり」(生態系の中の人間かな?)を展示していますが、これも千葉県中央博のほう上であろうと考えます。 それは、神奈川は大くくりすぎます。 千葉では昔の農村での社会生活、地形別の農業様式、都市の河川、東京湾の汚染など詳しく多様なテーマでまとめられていますから。 ただ、ギフチョウを中心にして、人間とのかかわりによって生活圏の盛衰を語っているところはさすがと思います。 最後に、ジャンボブック展示室は、とても良いと思いました。 それこそ、中央博での展示がこの部屋に凝縮されているような感じの展示になっています。 ただ、時間が少なくてじっくり見ることが出来ず、残念でした。 しかし、ここの最大の注目点は、「神奈川県植物誌2001」です。 この博物館だけの成果ではないようですが(平塚市立博物館とかの話を聞いたことがあります)、県民参加によって集大成した優れたものと思います。 この手法は、すべての都道府県の博物館(自然系に限らず)が見習うべきです。 もちろん植物誌の成果だけをみれば、元千葉県中央博物館館長故沼田眞先生には敵いませんが、一般市民が専門家と一緒になって地道な調査活動を続けて、作り上げたこの植物誌は今後の博物館の活動について考えれば、絶賛できるものと思います。 さて、全体的に云って、地学分野と動物分野を全般的に扱っていますが、恐竜関係はとても目立ちますが、地球誕生に関するものであれば茨城・栃木県立子供総合科学館、地球鉱物関係であれば栃木県立歴史博物館、植物分野においては千葉県中央博物館などなど、種類の多さ深さなど個別に見れば優れた展示の博物館は多くあり、失礼ながら、恐竜などの大型の展示に精一杯で他には手が回らなかったのでしょうか(えらそうなこと云ってごめんなさい) あとは、更なる博物館活動の活性化を期待します。(県立生命の星・地球博物館博物館に限らず) |